スカパー！連動でサッカーファンに最適、“Wカップ仕様”の「楽レコ」：レビュー（3/3 ページ）

[渡邊宏，ITmedia]

なかなか有効なハイライト再生

　この連動機能を使ってスカパー！のスポーツ番組を録画すると、チューナーからレコーダー側に「スポーツ番組なので、ハイライト再生用のデータを生成するように」という情報も同時に送信される。ハイライト再生を行うには、録画時に必要な情報を同時に取り込む必要があるので、このように、チューナー側との連携が欠かせないのだ。

　ただ、この仕組みは1系統しか用意されていない。スカパー！と地上波でスポーツ番組を2つ同時に録画する場合は、先に録画された番組にだけハイライト再生が有効になる点は気を付けたい。

　「ハイライト再生」を開始すると、画面には時間別に「盛り上がり具合」を示す青い棒グラフと、再生の基準を示す黄色いバーが表示される。再生中は黄色いバーを超えた場面の前後7秒を抽出して再生するようになっており、バーを上下10段階に調整することで、どの程度の盛り上がり具合をピックアップするかを選択できる。なお、リモコンの左右キーでハイライト再生と通常再生を切り替えられる。

ハイライト再生の画面。画面右上には総録画時間と要約時間も表示される。黄色いバーを上下（ピックアップする基準を変更する）させると、要約時間も変化する

　今回は時期柄、サッカーの試合をハイライト再生してみた。サンプルはスカパー！で放送されていた05―06シーズンのチャンピオンズリーグ「ベティス×チェルシー」と「インテル×ポルト」だ。再生基準を標準のままハイライト再生をしてみたところ、「ベティス×チェルシー」は4分38秒（抽出された場面は10回）だったものの、インテル×ポルトは42秒（抽出された場面は1回）となってしまった。

　ベティス×チェルシーでハイライト再生されたのは、試合前の写真撮影、前半27分のゴールシーン、ゴールシーンのリプレイ、前半ハイライト、後半53分の監督退場、70分と74分のシュートシーン、試合終了のホイッスル、審判に詰め寄る選手、試合後のハイライトという各場面。

　この試合は劣勢と思われていたホームのベティスが前半にあげたゴールを守りきって1対0で勝った試合だったのだが、ホームチームの先制点、後半に起こった監督退場、チェルシーの猛攻、格上と思われる相手に勝って完成に沸くスタジアム、監督退場に納得がいかない選手といった試合のハイライトがほぼ完ぺきに網羅されている。中盤での駆け引きなどもチェックしたいファンには物足りないかも知れないが、「ハイライトの再生」としてはなかなか上出来だ。

　もう一方のインテル×ポルトだが、同様の設定だとハイライト再生されたのは前半15分のゴールシーンのみ。シュートシーンはほかにもあり、試合そのものは2対1でインテルの勝ちだったのだが、とある事情から観客をまったく入れない無観客試合で行われており、「歓声」をもとにハイライトシーンを生成するこの機能がうまく働かなかったと考えられる。

無観客試合（＝歓声が少ない）ため、標準設定ではハイライト再生がうまく機能しなかったインテル×ポルト戦。こうした場合には黄色いバーを下げて対応すればよい

　こうしたケースならば（サッカーの試合としてはかなりレアなケースだが）、黄色いバーを下げることで対応できる。取りあげたインテル×ポルトの場合、バーを下から3番目にしておけば、すべてのゴールシーンとシュートシーンをハイライト再生することができた。

スカパー！専用機として割り切れば満足

　今回はスカパー！チューナーの連動機能とサッカー観戦に中心に本製品を見てみたが、スカパー！専用機として割り切るならばかなり“使える”という印象を受けた。「割り切るならば」としたのは、地上波録画機能とスカパー！録画機能との連携に甘さが残るからだ。

　EPGの件は既に触れたが、本製品はエンコーダーを2機搭載しているので、同一時間帯にスカパー！を含む複数の番組が録画できる。しかし、この地上波の番組が重なる際には警告メッセージがでるものの、スカパー！と地上波番組の時間が重なっても警告は出ない（後の時間から始まる番組が録画されない）。

　「エンコーダー1（もしくは2）をスカパー！専用に割り当てる」といった設定ができれば回避できそうだが、そうした設定は用意されていない。また、地上波予約とスカパー！予約の時間を3分以上あけないといけない、といった制約もあり、既存の地上波録画機能とスカパー！録画機能がうまくかみ合っていない印象を受ける。

　とはいえ、IRコントローラーというちょっとした＋αでスカパー！の予約が快適になるほか、ハイライト再生もなかなか有用だ。Web直販のみ（イートレンドとNTT-X Storeのみで販売される）となっており、実際に店頭でスカパー！連動機能がチェックできないのは残念だが、サッカーが見たいのでスカパー！を契約しているという人も多いはず。そうした人には勧められる1台といえる。