ITmedia NEWS >
インタビュー
» 2006年06月21日 10時05分 公開

置くとテーブルが鳴り出す――魔法? のスピーカー、誕生の秘密インタビュー(2/2 ページ)

[平賀洋一,ITmedia]
前のページへ 1|2       

意外に重い本体。ズッシリの理由とは?

――先ほど聴かせていただきましたが、確かにどこで音がしているのか分からない。だけど、どこに居ても近くで鳴っているような聴こえ方ですね。

佐藤氏: 実際に家庭で使うと、さらに音に包まれているような状態になります。室内にある机や家具、床でも良いんですがGY-1を置くとどこからともなく音が聴こえてきます。

 普通のオーディオ機器ではスピーカーの位置や向き、距離によって音の聴こえ方が変わってきますが、じっくりと音楽を楽しむのではなくBGMとして曲を流するような場合にはどうしても耳が疲れてしまうことがあります。GY-1であれば、どこに居ても、動いていても音に包まれるような聴き方ができ、「ながら聴き」が楽しめるんです。

――本体の99(幅)×90(高さ)ミリというサイズに比べて、重さが1.7キロとあります。外見の小ささに比べて非常に重量がありますが、なぜ、こんなに重いのでしょうか。

小野原氏: 振動を確実に伝えるために重くなっています。ある程度重さがないと振動によってスピーカー本体が動いてしまい、音が正確に鳴らなくなります。逆に重すぎると音量が小さくなり、音が聴こえなくなります。GY-1の重さは1.7キロですが、これが現在の駆動部で最適に聴く場合の下限の重さです。上限の重さが約7キロで、CEATEC 2005に出展した試作品の1つが大理石製で、この重さになっています。

三浦氏: 台湾にある弊社の子会社が作ったものですが、現地の特産品である大理石を使っています。超磁歪素子を使った駆動部が完成したときに、そっちで何か作ってみて欲しいと打診したんですが、まさか大理石でくるとは思いませんでした。ある日突然、これが桐箱に入って会社に届くんですから(笑)。

photophoto 重さ7キロという大理石製の試作品。CEATEC JAPAN 2005に参考出展された

――超磁歪素子を使ったスピーカーを開発をしようとしたきっかけは、どんなものだったのでしょうか。

小野原氏: ある素材メーカーから「こんな物がある」と、超磁歪素子の提案を受けたのがきっかけです。この素子を使ったペン型の装置を使って、ペン先を机に押し付けると振動が伝わって音が出る、離すと聴こえなくなるというデモンストレーションを受けたんですが、その際にちゃんとしたスピーカーにならないかな。と考えたのが最初です。

photo 製品版とほぼ同じ仕様の試作品。CEATEC JAPAN 2005で好評を博したという。製品版と違い艶消し処理がされていない

――製品化することは当初から決まっていたのですか。

小野原氏: 試作品をCEATEC JAPAN 2005に参考出展したんですが、この段階では市販の予定はありませんでした。しかし、思いのほか来場された方の反応が良く、音が鳴る仕組みや音質についてかなり詳しく聞かれました。この反響の高さから市販を検討し始めました。また、デザインについても評判が良かったので、ほぼ同じもので発売しました。

佐藤氏: 弊社が取り扱っている製品で似たようなスピーカーとしては、水中用のスピーカーがあります。従来のスピーカーと同様のユニットを使ったもので、プールや水族館などで使用されるものです。ですが、音が鳴る原理やコンシューマー向けとしては初の製品になります。

――これまでに無い原理のスピーカーということで、さまざまな用途や分野での活用が想像されますが、今後はどのような製品を展開していく予定ですか。

小野原氏: 置く場所や、聴くシチュエーションを問わないのが良さのスピーカーですから、より生活に密着した使い方ができる製品を作りたいですね。まだ検討段階ですが、インテリアとしても使えるけど、スピーカーにもなる。そんなアイテムを考えています。



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.