松下電器産業は6月21日、デジタルカメラ“LUMIX”の新製品としてレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「DMC-L1」を発表した。7月22日から発売する。価格はオープン。市場想定価格は、「ライカD VARIO-ELMARIT(バリオ・エルマリート) 14-50mm/F2.8-3.5」をセットにしたレンズキット「DMC-L1K」が25万円前後となる。なおボディのみ/レンズのみの販売は当面行われない。
「DMC-L1」は、同社初のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ。今年2月に米国で開催されたPMA 2006の会場で開発を表明し、今年3月の国内でのお披露目で今夏まで正式発表・発売をアナウンス(別記事を参照)。またLUMIXサイトでは先週から、ティザー(予告)広告も流れていた。
注目は、デジ一眼専用レンズとして初めて“Leica”を冠した「ライカD VARIO-ELMARIT(バリオ・エルマリート) 14-50mm/F2.8-3.5」だ。
同社お得意の光学式手ブレ補正システム「MEGA O.I.S」をレンズ内に搭載。ズームは光学3.6倍で、35ミリ判換算で28〜100ミリという使いやすい焦点距離を確保。最短撮影距離もズーム全域で29センチとマクロ撮影にも適した活用範囲の広さを実現。F値もワイド側でF2.8からと非常に明るいレンズに仕上がっている。
「ライカ特有のボケ味を表現しながら、空気感をもとらえる高い解像力を誇る」(同社)という同レンズは、大口径ガラスモールド非球面レンズを採用することでコンパクトサイズと高い光学性能を両立したという。手ブレ補正は、常時動作させてフレーミング時の手ブレも抑える「MODE1」と、露光中のみ動作させる「MODE2」を用意。
ユニークなのは、フォーカス・ズームという2つのリングに加えて「絞りリング」を搭載している点だ。絞り優先撮影が素早く行えるほか、「DMC-L1」の上面に搭載されたシャッタースピードダイヤルと組み合わせて使用することで細かな露出設定が直感的に行えるという。「操作することへのこだわりを具現化した」(同社)
撮像素子として有効750万画素の「4/3インチLive MOSセンサー」を搭載。同社の「νMAICOVICON(ニューマイコビコン)」技術を応用したこの新開発イメージセンサーは、CCDの高画質性とCMOSセンサーの低消費電力性を両立しているのが特徴。
CMOSセンサーの約3倍の受光部面積でCCD並みの広ダイナミックレンジと豊かな階調性を実現しながら、従来のフルフレームトランスファー型CCDよりも消費電力を約50%削減。また、低電圧5ボルト動作やシリコン深部へのフォトダイオード埋め込みによるノイズ遮断など、徹底的な低ノイズ化をはかっている。
フォーサーズシステム規格に準拠しており、同規格であるオリンパスE-シリーズの豊富なレンズ資産が生かせるのが大きなメリット。さらにオリンパスとは技術面でも提携しており、両社共同開発による最新技術が「DMC-L1」に注がれている。その成果の1つが、センサーの信号を直接液晶画面に映し出して常時背面液晶を見ながらフレーミングが行える「ライブビュー機能」だ。
同機能は、すでにオリンパス「E-330」に搭載されているが、「DMC-L1」もほぼ同じシステムを採用。Live MOSセンサーやミラーボックスユニットといった両社共同開発による独自技術によって、背面液晶でフレーミングできるというコンパクトデジカメの便利な操作性をデジ一眼で実現している。
このライブビュー機能を活用するために重要な背面の液晶ディスプレイは2.5インチ(20.7万画素)の大画面高精細タイプを採用。オリンパスE-330のようなマルチアングル方式ではなく、一般的な背面固定方式になっている。
また、ダストリダクションシステムも装備。スーパーソニックウェーブフィルター(SSWF:超音波防塵フィルター)でゴミやホコリを瞬時に振り落とし、画像へのゴミ写り込みを防ぐ「ノンダストシステム」を搭載した。
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