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次もiPodを買いますか?コラム(2/2 ページ)

» 2006年07月12日 08時50分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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iPod/iPod以外にも現れた第三の選択肢

 iPodをそのまま使い続けるならば何ら問題はない。新しいiPodを買ってきてパッケージを開けるだけだ。iPodから“機種変”するならば楽曲ファイルをiTunesからWindows Media Player10(WMP10)やSonicStageなど新たなライブラリーソフトにインポートすればいい。

photo iTunesでは楽曲ファイルのMP3化が行える

 WMP10はiTunesの標準エンコード形式であるAACに非対応だが、iTunes上で「選択項目をMP3に変換」を実行すればAACファイルもMP3に変換できる。iTMSで購入した(DRM処理された)ファイルはWMPやSonicStageで再生できず、他社製プレーヤーでも扱えないが、音楽CD化して再度ライブラリーソフトに読み込ませれば対応できる。

 組み合わせるライブラリーソフトと利用可能な音楽配信サービスという制約こそは存在するが、このように、技術的な側面だけを取りあげればiPodから他社製品へ乗り換えはさほど困難なことではない。

 また、今秋にはWindows DRM対応サービスとして、ナップスタージャパンによる定額制音楽配信が開始される予定となっており、こうした新サービスに期待してiPod以外を選択するという考えもあるだろう(マイクロソフトは既に関係各社と共同でキャンペーン(「音楽×映像 持ちだそう! キャンペーン」)を展開することで、Windows DRM対応プレーヤーの普及を図っている)。

 これまではiPodとウォークマンなどの他社製製品を念頭に話を進めてきたが、「“屋外に持ち出せる音楽環境”を選ぶ」という意味では無視できない存在になりつつあるのが携帯電話だ。

 NTTドコモは5月に発表されたFOMA 902シリーズ(いわゆる夏モデル)で「ミュージックケータイ」をコンセプトに掲げ、携帯電話で音楽を聴くという用途提案を行っている。ライブラリーソフトの作り込みや音楽再生機能と携帯電話機能の融合については改良の余地が残されているようだが、テレビCMも開始されており、「ケータイでオンガク」が速やかに浸透していく可能性はある。

photophoto WMAが再生可能なNTTドコモのF902iS(左)、“ウォークマンケータイ”を名乗るKDDIのW42S(右)

 KDDIも同様だ。ソニー・エリクソン製の“ウォークマンケータイ”「W42S」をラインアップに加えることで、iPod以外にも魅力あるデジタルオーディオプレーヤーが存在することをアピールしている(関連記事:短期集中ロードテスト ウォークマンケータイ「W42S」 第1回第2回第3回)。

10月には新iPodが発表?

 Windows DRM対応プレーヤーには、ユーザーの期待も大きい「定額制」というキラーサービスがひかえており、携帯電話における音楽再生機能も、改良を進めてより使い勝手を高めていくことが予想される。

 では、iPodの次に買うべきはこれらのプレーヤーなのだろうか。残念ながらその問いに答えるためには、iPodの将来に関する判断材料が不足しすぎている。

 アップルコンピュータが将来の製品計画について言及しないのは有名な話であり(ウワサ系サイトとは何度か訴訟問題になっている)、同社がiPodに関してどのようなロードマップを描いているのかは想像するしかない。はっきりしているのは、カラーバリエーションモデルや容量違いのモデルはリリースされているものの、2005年10月から“新たなiPodが発表されていない”という事実だけだ。

 +D読者に「次期iPodで搭載して欲しい機能は」と尋ねたところ、カメラや携帯電話機能ではなく、無線LANやBluetoothといった通信機能の搭載を望む声が大半を占めた(関連記事)。この結果はあくまでも読者からの要望だが、新世代のiPodが「動画対応」を超える、大きな機能アップを果たす可能性は否定できない。

 新型iPod発表のような大きなアナウンスは、1月に行われるMac World Expoを除くと、ここ数年、9月ないし10月に行われる傾向がある。第5世代の発表は2005年10月13日、iPod nanoの発表は2005年9月8日、iPod Photoの発表は2004年10月27日だった。

 「次もiPodを買うか」の選択は、もう2〜3カ月待ってみてもよさそうだ。

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