動画再生に対応した第5世代iPodが発売されて半年以上が経過した。相変わらず電車内などでは“白いヘッドフォン”を見かけることが多いが、他社からも数多くの新製品が発売されており、ポータブルオーディオプレーヤーの選択肢はiPodだけではないのが現状だ。「iPodからの買い換えはiPod」でいいのか考えてみた。
iPodからiPodへの乗り換えで最大のメリットといえるのは、開封してすぐに使いこなせることだろう。買い換え前の機種がクリックホイール非搭載の第1世代iPodであっても全体的な操作感はほぼ統一されており(iPod shuffleはやや例外かもしれないが)、新機種に乗り換えても操作に戸惑いを感じることはない。
また、iPodにはサードパーティ製を含めて数多くのアクセサリーが用意されおり、買い換えてもそのまま利用できることが多い。特にDockコネクタを利用したアクセサリーには流用可能な製品が多く、FMトランスミッターなどを組み合わせて車内などで利用している場合など、iPodからiPodへと乗り換えたほうが金銭的なロスも少ない。
ライブラリーソフト「iTunes」を継承できるのも大きなメリットだ。PCのHDDを母艦として利用する現在のポータブルオーディオプレーヤーにおいて、ライブラリーソフトの使い勝手は全体的な使い勝手にも大きな影響を及ぼす。使い慣れたソフトをそのまま利用できる(もちろん楽曲もそのまま引き継げる)のは、それだけでiPod→iPodの乗り換えを決心させる理由になりうる。
これは直接的にはiPodの仕様と関係しないが、音楽配信サービス「iTunes Music Store」(iTMS)の存在も大きいだろう。配信曲数は未公開だが、2005年8月のサービス開始時で100万曲が用意されており、配信曲数の多さで言えば国内でも最大規模のサービスだ。国内レコード会社のサービスに比べると邦楽の配信曲数が少ないという指摘もあるが、松任谷由実のアルバム「A GIRL IN SUMMER」の配信時にはプロモーションビデオがiTMS限定で配信されるなど、限定コンテンツの提供も数多く行われている。
一方、iPodから他社製品に乗り換える際にもっとも享受できるメリットは機種選択の広さだ。iPodは現在、HDDタイプのiPod、フラッシュメモリタイプのiPod nano/iPod shuffleという3タイプが用意されており、ここから好みのタイプを選択することになるが、他社製品に目を向けてみるとそれこそよりどりみどりだ。
ソニーの「ウォークマン」や松下電器産業の「D-Snap Audio」にも多くのタイプが用意されているほか、耐衝撃性に優れたシャープのカラビナ型「MP-S300/200」や、999円という超低価格が魅力の上海問屋「DN-2000」なども発売されている。こうした“バリエーションの豊富さ”は他社製品の方が上回っている。
邦楽の好きなユーザーならば、それもiPod以外の製品を選択する理由になりうる。国内レコード会社の中には自社(もしくは自社系列の)配信サービスでしか所属アーティストの楽曲を配信していない企業もあり、邦楽新譜を配信で入手して楽しみたい場合には必然的にiPod以外のプレーヤーを選択することになるだろう。
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