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ライカレンズを搭載したアナログ風デジ一眼――「LUMIX DMC-L1」レビュー(3/5 ページ)

» 2006年07月14日 12時15分 公開
[永山昌克,ITmedia]

撮像素子によるライブビューに対応

 機能面のいちばんの見どころは、オリンパス「E-330」と同様の撮像素子とミラーボックスを採用し、ライブビュー撮影を実現したこと。背面の専用ボタンを押すとライブビューモードとなり、リアルタイムで表示される液晶画面を見ながら構図を決め、撮影ができる。ライブビューの視野率は100%だ。

photo ファインダー横のボタンを押すと、液晶画面がライブビュー表示に切り替わる
photo シャッターボタンの半押しでAFが作動。合焦した測距点には、緑のマークが点灯する

 2つのセンサーによって2種類のライブビューモードを選べるE-330とは異なり、DMC-L1では撮像素子を利用したライブビューのみとなる。ライブビューを選ぶとミラーアップし、シャッターボタンを半押しすると一瞬ミラーダウンしてAFとAEが作動。合焦すると、またミラーアップしてライブビュー画面に戻る。そして、シャッターボタンを全押しすると再びミラーのダウンとアップを繰り返して撮影が行われる。

 こうした一連の動きがあるためタイムラグはやや長く、ミラーがバタバタと音を立てて動くため、初めて使ったときには少々戸惑いを覚える。動き自体は複雑だが、モード切り替えがない分だけ、E-330に比べて操作は多少シンプルといえるかもしれない。

 露出補正やホワイトバランスの調整結果がライブビュー表示に反映する点は、E-330よりも使いやすい。ただし、E-330のような可動式液晶ではない。その代わりにDISPLAYボタンを長押しするとハイアングルモードとなり、液晶の下方向からの視野角が広がる。

photo ライブビューモードでのISO感度の設定画面
photo ライブビューモードでのホワイトバランスの設定画面。選んだ項目に応じて、表示の色合いが変化する

 マニュアルフォーカスを選んだ場合には、ライブビュー中に十字ボタンの左か右を押すことで、画面の好きな部分を4倍または10倍に拡大表示して、厳密なピント合わせができる。また、ライブビューでの撮影時には、デジタルズームやEX光学ズームを利用できるのがユニークだ。

 ファインダーは、視野率95%、倍率0.93倍のポロミラー式ファインダーを搭載する。動きの速い被写体を撮る場合などはタイムラグの短いファインダーを使い、じっくりと構図を決めて撮ったり、ハイアングルやローアングルから撮ったりしたい場合にはライブビューを使用するなど、用途や目的に応じて使い分けるといい。

 ライブビューの操作感は、これまでコンパクトデジカメが主体のビギナーにとって扱いやすいとはいいがたいが、中級者以上には撮影の自由度という意味で大きな武器になる。

photo ライブビューモードでの露出補正の画面。補正量に応じて、表示の明るさが変化する。なお、マニュアル露出モードではライブビューは開放値の状態で表示され、絞り込みボタンを押している間のみ、設定した露出に応じた明るさで表示される
photo マニュアルフォーカスでの拡大表示画面

photo ライブビューモードでは、撮影メニューからEX光学ズームやデジタルズームを選択できる。後から画像をトリミングしても結果はほぼ同じなので個人的にはあまり使わないが、画像をそのまま印刷する場合には役立つ
photo ファインダーの表示。やや暗く、表示が小さいことに不満が残る。とはいえファインダー撮影とライブビュー撮影を切り替えられるのは、今のところデジタル一眼レフ機ではDMC-L1とE-330だけのメリットだ

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