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AVCHD規格対応で8センチDVDへHD映像が撮影できる、ソニーの新DVDハンディカム「HDR-UX1」レビュー特集:晩夏のビデオカメラ製品、勢ぞろい(4/4 ページ)

» 2006年09月12日 15時03分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 対応メディアは、HD/SD画質のいずれにおいても、DVD-R/+R DL/-RW/+RWを利用できる。また、HD画質でDVD-RW、またはDVD+RWメディアへ撮影した場合は、プレイリストでの追加/削除/移動/分割に加え、オリジナルの削除や分割も行える(SD品質の場合は、DVD-RW VRモードのみオリジナル編集、および、プレイリスト編集が可能)。

 HD動画撮影では、画質モードをHQ+/HQ/SP/LPの4段階から選べる。実際に撮影した映像を確認してみると、1分あたりのファイルサイズはそれぞれ、90MB/70MB/50MB/40MB程度となっていた。各々の画質モードのビットレートは約12Mbps/9Mbps/7Mbps/5Mbps(いずれもVBR)とされているので、順当なサイズといっていいだろう。

 映像品質はやや解像感に不満な部分もあるが、色深度などはしっかりしており、最大で12Mbpsというビットレートから想像される以上の品質は確保している。このあたりはやはり、MPEG-4 AVC/H.264の採用が生きているといえるだろう。しかも、約5MbpsのLPモードを選択した際でも、解像度が変更されるようなことはなく、1440×1080iで記録される。

HQ+モードで撮影した動画から、付属ソフトウェア「Picture Motion Browser」の動画編集機能で静止画(1980×1080)保存したもの。全体にやや甘い部分はあるが、特に圧縮のクセなどは見受けられず、「HDR-HC3」の撮影画像と比較しても遜色はない

 画面内で動きのある部分が極端に多い状況では(動きの激しい被写体をアップで撮ったり、パン/チルト/ズームを多用するなど)、やはりHQ以上を使うべきだが、カメラ固定で画面内を被写体がちょこちょこ動く程度であれば、SP、あるいはLPでも、映像に大きな破綻やボケが生じることは少ない。低ビットレートの画質モードも、状況に応じて積極的に使ったほうがいいなと感じさせる程度の品質は確保しているというわけだ。

 HDVハンディカムと比較したとき、「HDR-UX1」の優位点といえるのが、サラウンド録音だろう。本体上部に内蔵されたマイクで、5.1chサラウンドの音声をドルビーデジタル方式で記録可能できる。ハイビジョン映像とサラウンド音声を組み合わせられるのは、製品として貴重であり、やはり魅力的だ。ちなみに、MPEG-4 AVC/H.264映像と5.1ch AC-3音声は、MPEG-2 TS(トランスポートストリーム)形式で多重化される(拡張子は.m2ts)。

従来のDVDハンディカムと同様に、本体内蔵マイクでサラウンド音声記録に対応。また、別売のワイヤレスマイク「ECM-HW1」を併用すれば、5.1chセンターマイク機能を利用できる

 PCとの接続性に関しても、テープよりはDVDメディアのほうがやや優位とはいえるが、少々面倒なところはある。つまり、HD画質向けにフォーマットしたメディアを、PC上で読むためには付属ソフトウェアのインストールが必須ということだ。これはUSB接続でカメラ側のドライブを使用する場合のみならず、PC側のDVDドライブでメディアを直接読む場合も同様である。

 もちろん、一般的な利用であれば、最初に一度インストールを行えば問題ない。ただ、たとえば、友人宅で上映するような場合、テレビに映すだけなら、コンポーネント端子やHDMI端子経由で自己再生すればいいだけだが、急に動画をデータでほしいと言われても、PCへのコピーは簡単にはすませられない。AVCHDは従来のDVD規格との互換性はないため、やむをえない問題ではあるが、注意すべき点だとはいえるだろう。

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