NECも参入を表明し、注目度の高まるPLC(高速電力線通信)。パナソニックは年頭におこなわれたInternational CESと同様にPLCモデムと宅内ソリューションを展示していたが、そこには同社の提案するもうひとつの宅内高速ネットワーク「c.LINK」(関連記事)も展示されていた。
c.LINKはテレビアンテナに用いられる同軸ケーブルを利用した通信規格で、最大250Mbps(物理層)の速度を持つ(MAC層では最高130Mbps)。最高250Mbpsという速度からも分かるようにハイビジョンコンテンツの伝送も容易だ。伝送に関してはほぼ技術的にも完成しているが、テレビアンテナ用の同軸ケーブルを利用するために集合住宅での利用にはまだ改善の余地を残している。
住宅内に従来からの有線/無線LAN以外の方法で高速なデータ網を提供しようという目的からすれば、PLCとc.LINKは非常に似通った存在であると言える。ただ、両者をどのように共存させていくか、あるいはどちらかを次世代の高速宅内ネットワークインフラとして推進していくのかは同社にも判断が難しいところだ。
パナソニックといえばイメージカラーはブルーだが、1カ所だけ鮮やかな緑を飾っているコーナーがある。「竹繊維振動板」スピーカーを展示しているコーナーだ。
スピーカー用の振動板は一般的には木材(針葉樹)のパルプで作られるが、これを竹の繊維に変更。竹は樹木より成長が早いので、自然環境への負荷が小さくて済むほか、パルプ製振動板に比べて硬質であるため、高音域の伸びがよいという。竹繊維100%で振動板を作り出せるよう、羽毛のようにけばだたせたところに独自技術が投入されている。
原材料費としてはほとんど変わらず、コストも10%程度の上昇に抑えられることから、「環境に配慮した高音質スピーカー」としてカーオーディオ、ホームAV製品への搭載が検討されている。また、プラスチックに竹繊維に混入させることで硬度を上げる研究も同時に進めているという。
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