撮影機能は従来と同等でフルオート中心のシンプルなものだが、ひとつだけユニークな機能が追加された。顔認識AF&AE(フェイスキャッチテクノロジー)だ。
デフォルトではオンになっており、構図上に人の顔を見つけると自動的にそこに枠が表示される。複数の人物を見つけると、その人数分だけ枠が表示され(最大9人まで表示できる)、ひとりだけ白い枠、他はグレーの枠になる。白い枠がカメラが主要被写体と判断した顔で、そこでシャッターを切るとピントがそこに自動的に合うのである。これは面白い。
カメラが自動的に顔を見つけて、相手が動いたりカメラを動かすとその枠が動きに追従するので、撮影時の演出としても楽しいのである。
人物が見つからないときは、自動的に従来の9点測距AiAFとなるので、使う方は顔認識AFモードかどうかは気にしなくていい。
顔の検出には目や鼻の構造などを見ていると思う。実際、人形や写真でも顔を検出してくれたし、結構遠くの人物でも見つけてくれた。その代わり、下を向いたり横を向いたりで目が隠れているとダメだった。
でも普通にポートレートを撮るときは顔は正面や斜めのはずなので、まず外すことはないだろう。顔が構図上のどこにあっても見つけてくれるので、いちいち顔でフォーカスロックする手間もない。
同等の機能は富士写真フイルムもFinePix S6000fdで新たに搭載しており、今後流行しそうだ。
もうひとつ新しい機能として「カテゴリー」が追加された。
あらかじめ人物、風景、作業用などのカテゴリーが用意されており、それにマークすると、スライドショー時やプリント指定時に、カテゴリーでまとめて指定できる。顔認識AFで顔に合わせて撮った写真は自動的に人物カテゴリーにチェックが入るのはよい。
なお、バッテリーは春モデルと同じで、CIPA規格で約230枚。あまり伸びなかったのが残念だ。
基本的にはスローシャッター時以外は画面にシャッタースピードも表示しない、ISOオート時はEXIFにISO感度情報を記載してくれないくらいのフルオート系デジカメだが、カスタムのホワイトバランスが設定できたり、測光パターンを変えられたり、縦横検知機能があったり、撮影後の画像確認時にフォーカスが合った位置を自動的に拡大表示してくれるフォーカスチェッカー機能があったりと結構充実している。
オート時のヒット率(ピントや露出、ホワイトバランスなど)も結構高く、なんだかんだいって安心して使えるというIXY Digitalの良さはしっかり受け継いだ製品なのだ。2006年春モデルに比べても、フェイスキャッチテクノロジーとさらなる高感度対応だけでもこちらにする価値はある。
これで光学式手ブレ補正が付いていればいうことがないのだが(実際、画素数が増えれば増えるほど手ブレが気になるようになるし)、このサイズで納めるには仕方がない面もあったか。
広角&手ブレ補正の900 ISか、純チタンボディに1000万画素のIXY Digital 1000か、は悩むところかもしれない。実用重視派には900 IS、高級感・高画質重視派にはIXY Digital 1000か。
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