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リアプロでホームシアター環境の再構築を試みる(導入編)フルHDブラビア導入記(3/3 ページ)

» 2006年11月07日 03時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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視聴位置や周囲の明度に気を配ってやれば、上質な映像を描き出してくれる

 一般に、プロジェクションテレビの欠点は視野角の狭さと明度の低さとされている。また、スクリーンの質感が目につくという人もいるだろう。特に、明るい環境で近距離から、しかも見下ろす位置関係で眺めた場合は、どんなに優れた製品でも、ただ暗くてボケた映像になってしまい、最悪の評価しか得られない。つまり、店頭で液晶やプラズマと視聴比較すると、確実に大きく水を開けられてしまうわけだ。これこそが、プロジェクションテレビがあまり一般層に受け入れられていない理由の1つといえるかもしれない(そのほかでは“薄型じゃない”“ランプの交換が必要”などだろうか)。

 ただ、かつて問題点であった、輝度ムラ(特に周辺部での低下)は最近の製品であれば概ねどれも解消されており、前述のとおり、一定の視聴位置さえ確保できれば、全体に質の高い映像を楽しめる。光源の冷却ファンも必須となるが、筐体に余裕があるうえ、大型ファンを利用できるため、ほとんど気にならないレベルだ。また、プロジェクションテレビが優れている点としては、黒が沈み込みつつ、暗部階調にも優れているゆえ、特に暗い場面での表現力は高い。映画鑑賞にも適した表示デバイスといえるだろう。

photo 通風孔は背面に2カ所あり、ともにファンが装備されている。これは光源部の通風孔で、ほのかに青く光っている

 今回購入した「KDS-50A2500」も、やはりこの傾向に当てはまるようだ。1メートル以下に近寄った場合は、どの角度から見ても画面にある程度のムラやギラつきを感じてしまうのだが、50型の最適視聴位置である2メートル前後の視聴距離を置けば、正面からかなり左右にずれたとしても問題はなく、発色・輝度ともに画面全体で均一な映像となる。ただし、この距離でも自分が立ち上がって、見下ろす位置関係になると、ちょっとダメだ。

 スクリーンへの映り込みに関しては、明るい映像を見ている際にはまったく気にならない。しかし、電源を落としてみると、一定の反射防止処理はされているものの、ノングレア液晶ほどではなく、さらに画面の面積が大きい分、結構映り込みは気になる。暗いシーンが主体の映画を観る際には、自分の背後に窓や灯りがない状態にすべきだろう。

 また、オーバースキャンに関しては約5%となっているようだ。HDD/DVDレコーダーからの1080i出力で目測してみたところ、画面内に収まっているのはソース映像の1920×1080のうち、1824×1024程度(しかも、画面の上よりも下のほうが、わずかに多く切れている気がする)。BSデジタル放送で画面右上に表示されるロゴの位置を見比べてみると、内蔵チューナーからの映像でもほぼ同じ状況のようだ。

 ちなみに、設定画面の「画面モード」には「表示領域」という項目があるものの、「ノーマル」から「−1」あるいは「−2」へと変更しても、拡大されてオーバースキャン領域が増えるだけである(PCとの接続で、これが役に立つときもあるのだが)。逆に縮小を行う設定や、いわゆる「ジャストスキャン」はあったほうがよかったと思う。

 上記の設定も含め、ほかの機器との接続などに関しては次回に取り上げたいと思うが、取り急ぎ、Xbox 360の話には触れておこう。先週(10月31日)のシステムアップデートで、Xbox 360はコンポーネント出力時のD5対応を果たし、アナログRGB出力にも1920×1080解像度が追加された。この「KDS-50A2500」ではHDMIは1080p対応なものの、残念ながらコンポーネントはD3/D4どまり。しかし、PC入力(D-sub15ピン)は1920×1080解像度に対応している。そこで、借り物のXbox 360をアップデートして、実際にVGA HD AVケーブルで接続してみたのだが、結果としてはうまく表示できなかった(画面の左右が表示されない)。

 KDS-50A2500側の対応信号も結構シビアなようなので、どちらが悪くて表示できないのかはわからない。まあ、いずれにせよ、ソニー製品だけにPlayStation3とのHDMI/1080p接続が本命ということだろうか。よさげなゲームタイトルが見当たらないので、次世代ゲーム機はどれも当面買う予定はないのだが、さて……。

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