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デジタル・ポータブル・オーディオの世界も重いほど高音質か?!プロフェッサー JOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと!」(3/4 ページ)

» 2006年11月27日 12時08分 公開
[竹村譲,ITmedia]

 「本体重量が重いほど高音質」というオーディオ何百年の歴史を少しでも、そして一時的にでも覆してくれる製品がないかと興味を持った筆者は、秋葉原で打ち合わせがあった帰り道、ソニーが発売したばかりのウォークマン(NW-S703F:容量1Gバイト 実測47グラム)をまたしても衝動買いしてしまった。

photo 新発売のウォークマン。ノイズキャンセリング機能を標準内蔵。デジタル・ミュージック・プレイヤーの音質重視転換へのキープロダクトとなってほしい

 本体重量47グラムはiPod nanoに迫る軽量級だ。中国、北京市内の路地などで売っている玩具の「RattleSnake Sound Egg」そっくりのデザインは決して筆者の好みでは無いが、デジタル・オーディオとして、あるレベルのクオリティが保証されるなら、我慢できる範囲だろう。

photo 本体重量はiPod nanoに迫る47グラム。再生音質に優れ、ノイズ軽減のヘッドフォンが標準装備。現時点でのBest Buy商品だろう
photo ガラガラヘビの卵のような新ウォークマン(写真左)はつかみ所がなく、手から滑り落ちる形状は改善が必要だろう。中央のオレンジのパッケージは「RattleSnake Sound Egg」

 また、NW-S700Fシリーズは同社が単体発売もしている「ノイズキャンセリング・ヘッドフォン」と同種の機能を組み込んで提供しているので、ウォークマン単体として見るとなんと1万円を切るプライシングがなされていることになる。この価格はiPod shuffleとほぼ同じなのだ。残念ながらiPod nano程の歴史も人気もまだまだなので、周辺機器も余り揃っていないが、本家のソニーから、なかなか使いよい本革製のケースやクレイドルもオプションで用意されている。

photophoto まだサードパーティ製周辺機器は少ないが、本家がアクセサリーなどを積極的に用意する(左)。かなりの重量があり、安定して机の上で使える充電・エンコード可能なクレードル。あると絶対に便利なオプションだろう(右)

 同社が新生ウォークマンの特長としている4つの「クリア・オーディオ・テクノロジー」は如何にサウンド面に現れているのだろうか。クリア・オーディオ・テクノロジーの構成要素は、(1)ノイスキャンセリング・ヘッドフォン機能の標準搭載、(2)大口径13.5ミリEXヘッドフォン・ドライバーユニットの採用、(3)左右のチャンネルセパレーションを強化したクリアステレオ技術、(4)音量アップにも耐えられる崩れのないタイトなベース音をコミットするクリアベース技術の4つだ。

 音楽の基本は、音楽そのモノの持つ感性やレコーディングの状況、個人個人の音の好みによって明らかに評価が大きく変わるモノであり、客観的に良い音というモノがもし存在したとしても、それそのものはそれほど大きな意味を持たないだろう。そういう前提で、筆者なりに新生ウォークマンを聴いてみた。筆者はJ-POPと演歌以外は殆ど何でも聴く節操の無さなので、今回視聴に使った音楽ソースもそれなりに、バラバラでまちまちだ。

photo 聴く音楽のジャンルが広がれば相性を突き止めることは複雑になる

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