「本体重量が重いほど高音質」というオーディオ何百年の歴史を少しでも、そして一時的にでも覆してくれる製品がないかと興味を持った筆者は、秋葉原で打ち合わせがあった帰り道、ソニーが発売したばかりのウォークマン(NW-S703F:容量1Gバイト 実測47グラム)をまたしても衝動買いしてしまった。
本体重量47グラムはiPod nanoに迫る軽量級だ。中国、北京市内の路地などで売っている玩具の「RattleSnake Sound Egg」そっくりのデザインは決して筆者の好みでは無いが、デジタル・オーディオとして、あるレベルのクオリティが保証されるなら、我慢できる範囲だろう。
また、NW-S700Fシリーズは同社が単体発売もしている「ノイズキャンセリング・ヘッドフォン」と同種の機能を組み込んで提供しているので、ウォークマン単体として見るとなんと1万円を切るプライシングがなされていることになる。この価格はiPod shuffleとほぼ同じなのだ。残念ながらiPod nano程の歴史も人気もまだまだなので、周辺機器も余り揃っていないが、本家のソニーから、なかなか使いよい本革製のケースやクレイドルもオプションで用意されている。
同社が新生ウォークマンの特長としている4つの「クリア・オーディオ・テクノロジー」は如何にサウンド面に現れているのだろうか。クリア・オーディオ・テクノロジーの構成要素は、(1)ノイスキャンセリング・ヘッドフォン機能の標準搭載、(2)大口径13.5ミリEXヘッドフォン・ドライバーユニットの採用、(3)左右のチャンネルセパレーションを強化したクリアステレオ技術、(4)音量アップにも耐えられる崩れのないタイトなベース音をコミットするクリアベース技術の4つだ。
音楽の基本は、音楽そのモノの持つ感性やレコーディングの状況、個人個人の音の好みによって明らかに評価が大きく変わるモノであり、客観的に良い音というモノがもし存在したとしても、それそのものはそれほど大きな意味を持たないだろう。そういう前提で、筆者なりに新生ウォークマンを聴いてみた。筆者はJ-POPと演歌以外は殆ど何でも聴く節操の無さなので、今回視聴に使った音楽ソースもそれなりに、バラバラでまちまちだ。
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