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» 2006年11月28日 10時52分 公開

レビュー:帰ってきたハイエンドコンパクト――キヤノン「PowerShot G7」 (4/8)

[小山安博,ITmedia]

顔を捕まえるDIGIC III

 撮影機能の注目点としては、映像エンジンとして新たにDIGIC IIIを搭載した点。DIGIC IIIはこの冬モデルのコンパクトモデルから搭載されているが、ほとんど同時期のEOS Kiss Digital Xには搭載されなかった点は注意。

 DIGIC IIIは演算能力の高速化など基本性能も向上しているというが、一番の売りは「フェイスキャッチテクノロジー」。これは富士フイルムが最近搭載を進めている機能と同じく、ハードウェアベースで人物の顔を判断してAFや露出を合わせるというもの。被写体が移動しても追い続け、複数の人(一度に9人まで)も認識できる。

photophotophoto AF枠選択ボタンを押すと1点AF、顔優先AF、AiAFが選択できる。この状態で十字キーを押すとAF測距枠が移動するアクティブフレームコントロールに対応する。SETボタンを押すと顔を認識し、そこに移動する。一時的な顔認識モードになるというわけだ(左)、顔優先AFは、画像のエリアで動作する。ここを外れた顔は認識されない(中)、こちらは9点のAiAF。顔優先AFは、顔が認識できないときはこのAiAFとして動作する

 富士フイルム製品と比べても特に遜色を感じないデキで、検出スピード、精度ともに優秀だ。正面を向いている人物であればほとんど問題なく認識する。サングラスを含めてメガネを着用していても同様。輪郭と2つの目、鼻、口をキーにしているようで、横を向いている人を認識しない一方、目、鼻、口のある人形も認識する。

 特に逆光時、人が構図の中央にないときにも認識し、AFと露出を合わせてくれるので、逆光で人の顔が暗くなったりピントが中抜けしたりといったよくある失敗を減らしてくれる。顔を認識しない場合は通常の9点AiAFとして動作するようだ。

 ホイール左上にあるAFボタンを押すことでAF方式を変更でき、9点のAiAF、中央1点、顔認識の3種類から選択できる。手軽に動作を変更できるのは便利だが、常時顔認識モードで撮影しても問題ないだろう。

 なお、中央1点時は、測距点を自由に移動させるアクティブフレームコントロールに対応。このときに十字キー中央のファンクションボタンを押すと、顔認識機能を使って、被写体の顔に測距点が移動する。さらにファンクションボタンを押すとほかの顔に移動する、という技も使える。

 また、十字キーの上ボタンでMFを利用できる。設定によってはMFに設定すると画面中央が拡大し、ピントが見えやすくなる。もっとも、一眼レフカメラの上位モデルのような厳密なピント合わせは難しいだろう。キヤノンによれば、MFで大まかにあわせてからAFにするとより厳密なピント合わせが可能だそうだ。

photo MFが十字キーにわざわざ割り当てられているのは独特。設定しておけば、中央が拡大表示される

 DIGIC IIIではさらに高感度時のノイズ低減処理が新しくなっているようだ。実際に撮影してみると、同じシーンでも高感度撮影時の方が撮影後に「処理中」が表示され、ノイズ低減処理をしていることを思わせた。

 ちなみに、ISO感度はダイヤル操作でISO80〜ISO1600まで設定できる。G6のころは、今のように「光学手ブレ補正/高感度」というブームのなかった時代なので、ISO50〜ISO400までしか設定できなかった。それを考えれば大きな進歩である。

photo ISOダイヤルを回すと、画面でも現在の設定が確認できる

 キヤノンはもともとノイズの少なさに定評があるが、DIGIC IIIになってどう変化したのかも期待できる。

 実際に作例を見てみると、DIGIC IIのころとの違いはそれほど大きくないようだ。ISO400までは多少のノイズは出るがディテールも残っていて、それなりに常用できるレベル。ISO800になるとディテールが甘くなるが、まぁガマンのできるレベル。ISO1600はかなり厳しい感じだが、PCでの等倍の結果を気にしなければ、緊急避難的には使えそうだ。

 さらにG7では、200万画素相当に画素数を落とすことでISO3200の高感度撮影にも対応する。フルサイズでのISO3200に対応した富士フイルム製品に比べると劣り、実際の結果もかなり厳しい結果となる。使うシーンはかなり限られるだろう。

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