「大人向け玩具」が市場を広げる一方、ターゲットによる細分化も進んでいる。セガトイズの「グランドピアニスト」が団塊の世代向けなら、タカラトミーの「エアロソアラ」は団塊ジュニアが中心。そしてバンダイが取り組んでいるのが、女性を含む比較的若い層を狙った“インテリアトイ”だ。同社プレイトイ事業部コミュニケーショントイチームの岩村剛リーダーと近藤創氏に詳しいを聞いた。
――コミュニケーショントイチームは大人向け玩具を専門に企画するチームだと聞いていますが、設立の狙いを教えてください
市場全体の広がりを受け、特化したチームとして2006年の4月につくられました。バンダイといえば、「機動戦士ガンダム」などの“キャラクターもの”というイメージがありますが、そこではない大人をターゲットにした商材を作りたい。玩具でもあり、玩具の域を出たものでもあり――社内では“ガジェット”という言い方をしているのですが、それらを幅広く扱っていこうと考えています。
商品としては、まず「スペースワープ」があります。もともと1980年代にヒットした商品ですが、2年ほど前にWebの「たのみこむ」さんで復刻の要望が集まり、23年ぶりに復活しました。これが30代、40代にかなり受け入れられ、バンダイとしても市場性を再確認したわけです。
スペースワープは、2年間で累計12万個ほどを販売しました。大ヒットとまではいきませんが、玩具では“スマッシュヒット”といえる数です。購入者の皆さんは、子どもの頃には買ってもらえなかったとか、買ってもらったのに作れなかったなど、それぞれ思い出があるようで、子どもの頃にハマっていた人たちが、「大人になってからもう一度作りたくなった」という声もよく聞きます。
次に「20Q」です。もともとカナダの発明家の方が開発したもので、20の質問を出して人が考えていることを当てるという“プチ人工知能”のような製品です。Blogなど口コミで広がり、昨年のヒット商品になりました。それから「CUBE WORLD」、「ants life studio」につながりました。
――「20Q」のような商品は、ポータブルゲーム機や携帯電話のアプリケーションにしたほうが手軽で、安く提供できるのではないですか?
難しいところですね。正直、携帯電話やポータブルゲーム機はライバルです。また、グループ内ではケータイコンテンツも扱っているため、「20Q」をアプリ化するという提案も実際にありました。それは断りましたが。
――なぜでしょう?
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