ソニーは1月30日、2006年度第3四半期(10月〜12月)の連結業績を発表した。売上高および営業収益は2兆6077億円(前年同期比+9.8%)と好調だったが、営業利益は1789億円(同−14.9%)当期純利益も1599億円(同−5.3%)にとどまった。
最も売り上げ増に貢献したのはエレクトロニクス分野で、売上高1兆8727億円/営業利益1774億円を記録。この売上高は前年同期比で約2倍で、四半期ベースでは過去最高。同社では年末商戦において薄型テレビ「BRAVIA」やデジタルカメラ「サイバーショット」が好調だったほか、円安もプラスに影響したと分析している。
特に液晶テレビについては、日米欧の3地域でいずれも売り上げ増を伸ばしており、2005年秋に立ち上げた新ブランド「BRAVIA」は好調に推移しているといえる。市場そのものが縮小しているブラウン管テレビと、北米市場で価格競争の激しくなっているリアプロジェクションテレビについては、減収となっているが、2007年下半期にはテレビビジネスそのものが黒字転換する見込みだ。
液晶テレビの価格下落について同社 執行役 EVP 兼 CPOの大根田伸行氏は「価格下落については、想定とさほどのズレはない。ただ、下落タイミングが予想より前倒しされている」とコメント。今後の市場展開については、「薄型テレビの市場は来年にかけて1.5〜2倍に伸びる」とまだ成長余地があるとした。ちなみに、PDPの再参入については「自社開発はあり得ないし、OEMでの販売も検討してない。開発コストを投入することはあり得ない」と否定した。
PC(VAIO)については、日本では減収、欧米では増収と明暗が分かれた。会計期間の関係上、1月30日より一般販売が開始された「Windows Vista」搭載PCは含まれてないが、通期としても「(新OSによる)影響は少ない」(同社 コーポレート・エグゼグティブ SVP 湯原隆男氏)との見方を示している。
持ち株対象会社のソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズも好調。売上高は前年同時期比64%増の37億8200万ユーロと4半期ベースでは過去最高を記録。当期純利益も4億4700万ユーロと前年同期時比2倍以上を記録した。
ゲーム部門は、プレイステーション 3(PS3)の投入によって売上高は4428億円(前年同時期比+5.6%)と伸びを示したが、赤字覚悟ともいわれるPS3の価格改定、プラットフォーム立ち上げ費用が計上されたため、542億円の営業損失となっている。
「PS3については、チップのシュリンク、部品点数の削減、歩留まりの向上を進めながら、ハードそのものをどれだけ普及させていくかがカギ。サービス/コンテンツ面も含めて訴求していきたい。来期はかなり改善すると考えている」(大根田氏)
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