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生活防水&手ブレ補正で撮影シーンを選ばない――オリンパス「μ760」(3/5 ページ)

» 2007年02月27日 18時45分 公開
[小山安博,ITmedia]

 これはμ760の手ブレ補正の効果が弱かったのか、別の問題があるのかは定かではない。ただ、μ760のシャッターボタンが妙に固かったのが気になったのは確かだ。μ760のシャッターボタンは長方形のそれほど小さくもなく押しやすいボタン形状なのだが、半押しから全押しにいたる感触が固く、ちょっと大げさに言うと「えいやっ」という感じで力を入れる必要があるのだ。

 ほかのカメラではあまり感じたことのない力の入れ方が必要なので、それで手ブレが大きくなってしまったような気がする。手ブレしないようなシーンでは特に気にならなかったが、手ブレしないように慎重に撮影するときには気になった。

 PowerShot G7も、必ずしも手ブレに強いデザインではない(グリップがほとんどない)が、一定の厚さと重さ、そしてなめらかなシャッターボタンの動作でμ760よりは手ブレしづらいように感じた部分ではある。今回は手元にあったG7で比べたのだが、製品の性格がかなり異なるカメラ同士ではあるので、G7と比較するのはあまりフェアじゃないのかもしれない。

 ISO感度はこれまで通り通常の撮影モードではISO1600までサポートする。ISO200からノイズは多くなり、ISO1600は緊急避難的なレベルだが、ディテールは比較的残すような設定だ。

 撮影機能としては、オリンパス独特のガイド撮影機能も搭載。モードダイヤルを「GUIDE」にあわせると「被写体を明るく撮影したい」「逆光で撮影したい」「被写体の背景をきれいにボカしたい」といったような感じで撮影状況が選べるので、それに従って選択していくと、それに適した撮影設定ができる。

photophoto ガイド撮影機能。ここから撮影したいシーンに応じて項目を選ぶ(左)、さらに細かいやり方を選択すると、自動的に設定が適用される(右)

 とはいえ、もともとそれほど撮影機能が豊富ではないμ760だから、設定できる項目がそんなに多いわけではない。初心者が撮影を学ぶためにはいいかもしれない。

常に持ち歩きたいカメラ

 画像の再生は、モードダイヤルを再生にあわせるほか、十字キー右上に再生ボタンも配置されている。電源オフの場合はモードダイヤルを再生にあわせて電源ボタンを押し、撮影中は再生ボタンを使うという使い分けをすると良さそうだ。機能的な違いは特にないようだだが、再生ボタンの方は、シャッターボタン半押しで撮影状態に移行できる。

photophoto 再生画面。細かい撮影情報の表示も可能(左)、ヒストグラムを表示することもできるが、画像自体が小さく表示されるのが難点。キヤノンと同じ方式だ(右)

 再生時は、ズームレバーのテレ側を押すと画像がサムネイル表示される。4/9/16/25コマに加え、カレンダー表示も可能。

photophoto 25コマのサムネイル。ざっと被写体を選びたいときは便利(左)、カレンダー機能も搭載する(右)

 画像を本体メモリに保存していつでも閲覧できるようにするのが「ポケット写真」機能。モードダイヤルの「★」にあわせるとポケット写真の閲覧が可能になる。再生方法自体は通常の再生モードと変わらない。スライドショー再生も可能だ。

 ポケット写真に登録するとメモリ初期化を実行しても画像は消去されないので、好きな画像を登録し、起動画面などに設定できる。ただし登録できる画像は9枚までだ。

 再生機能では編集機能が比較的豊富で、リサイズや赤目補正、モノクロ/セピア作成、フレーム/タイトル/カレンダー合成、明るさ/鮮やかさ調整といった感じである程度の編集作業はカメラ内で完結できる。

 μ760は、今までの同シリーズと比べると飛躍的な機能の向上は手ブレ補正の搭載ぐらいだが、もともと簡易なコンパクトデジカメとしては完成度が高い。高感度の画質とシャッターボタンが多少気になったぐらいで、あとは生活防水と手ブレ補正が撮影場所とシチュエーションを格段に広げてくれる。ポケットにも楽々入るコンパクトさなので、常に持ち歩いておきたいカメラだ。

photo バッテリーの寿命はCIPA規格で約200枚。もうひとがんばり欲しいところではあるが、小旅行程度ならば1日は持つだろう。メモリカードはxDピクチャーカードを利用する

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