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弟分とともに登場した“2代目DVDハイビジョンハンディカム”――ソニー「HDR-UX7」(3/4 ページ)

» 2007年03月09日 12時08分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 カメラをホールドした感覚としては、本体の右側面がやや平たいせいか、グリップ感のいい「HDR-HC7」などと比べると、あまりしっかりとつかめる印象ではなくなっている。また、フォトボタンのみ若干押しづらいように思えた。「HDR-UX1」と比較した場合、ボタンやインジケータの配置は基本的に同じだが、フラッシュ切替ボタンだけはレンズ脇から本体手前へと大幅に移動。さらに、「HDR-UX1」では省略されていたシンプルボタン(撮影設定がフルオートになり、画面表示も見やすくなる)も復活している。

 入出力端子については、本体手前にUSB端子、映像/音声出力、REMOTE端子、そして、本体左側面下部にはマイク端子、ヘッドフォン端子、コンポーネントビデオ出力、HDMIと、配置は違うものの、端子の内容・数は変わらない(「HDR-UX5」にはマイク端子とヘッドフォン端子はない)。ただ、残念なのは端子カバーのスタイルで、「HDR-UX1」の特徴でもあった、つまみで開閉するシャッター式は排除され、ごく普通のカバーに置き換えられている。

photo 端子カバーはシャッター式ではなく、一般的なものへ変更された。シンプル、画面表示/バッテリーインフォ/再生ボタンは液晶画面を開いた部分へすっきりとまとめられている

 撮影した映像の品質は、当然のことながら、「HDR-HC7」に似通っている。テレビへHDMI出力して、最高品質のHQ+(約12Mbps)で撮影したものを動画として観賞する分には、ほとんど差を感じないレベルだ。ただし、細かく見ていくと、動きのある部分を中心に、粒状のノイズが目立つ箇所は見受けられる。とはいえ、逆に「HDR-UX7」のほうが細部の色の描き分けが維持されていたりと(たとえば、木の枝先など)、優れた部分もなくはない。このあたりは圧縮方式・設定の違いから生じる差だろう。

 AVCHD準拠のビデオカメラは、すでに多彩な記録メディアの製品が揃っているわけだが、いずれも一長一短な部分があることは否めないだろう。たとえば、SDカードを採用した製品なら、小型軽量タイプを期待してしまう人も多いわけだが、「HDC-SD1」の本体サイズはお世辞にもコンパクトとはいえない(特にHDV方式には、コンパクトながらトータル性能に優れたキヤノン「iVIS HV10」が存在するだけに……)。

photo 付属バッテリー「NP-FH70」による駆動時間は、連続撮影で約1時間55分、実撮影で約55分となっている(「HDR-UX5」には「NP-FH60」が付属し、実撮影時間は約35分)

 8センチDVDタイプも同じで、再生対応製品の大規模な普及なくしては、せっかくのデータの可搬性の高さが生かせない。しかし、これは製品自体の問題ではなく、あくまでも周りの環境が追いついていないだけの話ともいえる。そういう意味では、製品としても2世代目を迎えた「HDR-UX7」に手を出すのも、決して悪い判断ではないのかもしれない。

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