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安心さがウリの定番コンパクト機――キヤノン「IXY Digital 10」レビュー(3/5 ページ)

» 2007年03月20日 08時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 機能面でも進化がある。従来のIXYはコンシューマ(というか初心者)向けということもあり、中級以上のカメラユーザーにはもどかしい面がたくさんあった。例えば、ISOオートで撮ると撮影時のISO感度がいくつになったか分からない、低速シャッター時以外は画面にシャッタースピードや絞り値が表示されないなどだ。今回はそこが直った。

 半押しにした時点でISO感度や露出が表示されるようになったのだ。細かいことだがこれはいい。

 基本的な操作は従来と同じ。

FUNCキーで表示される撮影メニュー。撮影モードもここで切り替える
MENUキーを押すと細かい設定画面に

 FUNCキーで撮影用のメニューが、MENUキーで環境設定系のメニューが表示される。2桁IXYではモードダイヤルをもたないので、撮影モードもFUNCキーのメニューで変更する。

 撮影モードにはオート、マニュアル(といっても露出はプログラムAEのみ)の他に、人物、キッズ&ペット、ワンポイントカラー(指定した色以外をモノクロで撮る)などが用意されている。

 マニュアルモード時にはホワイトバランス、測光パターンなど設定可能だ。

イージーダイレクトボタンに好きな機能を割り当てられるようになった。これは便利

 注目は撮影時は何の役にも立ってなかったイージーダイレクトボタン。そこに機能を割り当てられるようになった。露出補正を割り当てれば、メニューを呼び出さなくてもすぐ補正ができる。

 もうひとつ、動画に面白い機能がひとつついた。1秒おき(あるいは2秒おき)に撮影して、ひとつの早送りムービーを作ってくれるインターバル動画。工夫次第でいろいろ遊べる。逆に秒60コマのスムーズモードもある。

 再生機能も凝っていて、写真をめくるときのエフェクトや、カテゴリー別のアルバム作成機能、さらに削除時に特定日付のものだけを削除することもできる。

小型コンパクトの王道をいくデジカメ

バッテリーは薄型の740mAhタイプ。メディアはSDメモリーカード

 バッテリーはCIPA規格で約210枚。従来通り、電池の持ちはさほどいい方ではないが、ボディサイズを考えると仕方のない面はあるし、いざとなったら光学ファインダーで撮ればいい(そうすれば持ちは格段に伸びる)。

 メディアはSDメモリーカードでSDHC対応。

 画質は相変わらずのキヤノンらしさで非常に鮮やか。くっきりカラーにするとさらに鮮やかでこってりした絵になる。なかなか気持ちいい。何より、AWBやAEのヒット率が高く、オートで撮っても安心して使えるコンパクトデジカメの代表といっていいだろう。

 矩形ボディになったからといってグリップしづらいとか撮りにくいということもない。むしろ凹凸がないため出し入れもしやすく、扱いやすい。

 突出した個性や面白みはないが、デザインもしっかりしていて使い勝手もよくて安定した写りを見せてくれる、定番中の定番モデル。安心して使える非常によくできた1台である。

 このボディでこの価格で光学式手ブレ補正が入っていたら文句ないのだが、それは将来への期待ということで。

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