日立製作所は3月20日、リムーバブルHDD「iVDR-S」を搭載した初の薄型テレビ“Wooo”「01シリーズ」を発表した。液晶・プラズマ合わせて8機種を揃え、このうち5機種にiVDR-Sスロットを搭載。「新しいWoooは、テレビの視聴スタイルを変えるもの。着脱可能なiVDR-Sを用いることで、容量を気にせずハイビジョン映像を録画できる」とした。
iVDR(Information Versatile Disk for Removable usage)は、日立や三洋電機、シャープなどが中心になって規格化した大容量リムーバブルメディアだ。既にアイ・オー・データ機器からはPC用外付けドライブが販売されているが、民生機での採用は今回が初めて。デジタル放送の録画を可能にする著作権保護技術「SAFIA」がD-paおよびBPAの認可を受け、製品化が可能になった。
同社は、液晶テレビ側面に設けたiVDRスロットに「iV(アイヴィ)ポケット」の愛称をつけて訴求する構え。ラインアップは、フルハイビジョンの「XR01」シリーズ、ミッドレンジの「HR01」シリーズ、エントリーモデル「H01」シリーズの3シリーズ計8機種で、このうちXR01/HR01の計5機種に2.5インチiVDR-S対応の「iVポケット」を搭載した。また、同じくiVDR-S規格対応の250GバイトHDDを内蔵する。
型番 | 画面サイズ | 方式 | フルHD | iVDR-S | 発売日 | 店頭予想価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
P50-XR01 | 50V | プラズマ | ○ | ○ | 5月中旬 | 57万円前後 |
L37-XR01 | 37V | 液晶 | ○ | ○ | 5月中旬 | 35万円前後 |
P42-HR01 | 42V | プラズマ | ー | ○ | 4月20日 | 39万円前後 |
P37-HR01 | 37V | プラズマ | ー | ○ | 4月20日 | 32万円前後 |
L32-HR01 | 32V | 液晶 | ー | ○ | 4月20日 | 25万円前後 |
P42-H01 | 42V | プラズマ | ー | ー | 4月20日 | 31万円前後 |
P37-H01 | 37V | プラズマ | ー | ー | 4月20日 | 26万円前後 |
L32-H01 | 32V | 液晶 | ー | ー | 4月20日 | 20万円前後 |
日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ・マーケティング本部の吉野正則氏は、同社製薄型テレビの全出荷台数に対してHDD内蔵タイプの比率が70%(2007年見込み)に達する見通しを明らかにした上で、電通リサーチによるユーザー調査を引用しながら「HDDに録画しても、DVDやBlu-rayメディアに残す人は少ない」と指摘した。「録画番組を消すタイミングは『1回見た後』が50%、『HDD容量が一杯になったら』が28%。HDDが一杯になると、家族に消されてしまうこともある。それなら、HDDを増やせるようにすればいい」(吉野氏)。
HDDをリムーバブルにすれば、家族それぞれが“マイディスク”を持ち、内蔵HDDから番組を移動できる。1人で使用する場合も、番組をジャンルごとに分けて記録するなど用途は広いという。もちろん、iVDR-Sメディアに対してもリモコン操作で番組の直接録画が行えるほか、iVDR-Sと内蔵HDDの間で相互にムーブやダビング(アナログ放送番組の場合)が可能だ。不要チャプターを除いてムーブすれば録画番組の簡易編集が行える。
追加用のiVDR-Sメディアに関しては、日立マクセルが80Gバイトの「M-VDRS80G.TV」と160Gバイトの「M-VDRS160G.TV」を同時に発表した。いずれも転送速度は最大540Mbpsで、TSモードの番組は6倍速、TSEモード(XCodeHDによるトランスレート録画モード)は9倍速相当でムーブ可能だ(別記事を参照)。
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