デジカメが普及して完成度が高まるにつれ、いろんな意味で冒険する製品が少なくなってきた。どれも完成度は上がってるけど、斬新さや強烈な個性がないという感じ。でもそんな状態に風穴をあけよう、という製品が登場したのだ。「DSC-G1」(以下、G1)である。
特にすごい技術を搭載したわけじゃない。コンセプトや技術の使い方が新しいのだ。
デジカメがケータイのカメラ機能に劣っている点が2つある。ひとつは「保管」。わたしもそうだけれども、ケータイで撮った写真は本体に残っており、いつでも呼び出せる。だから「あのときの写真ある?」にすぐ答えられる。そもそも待受画面サイズで撮ってるから内蔵メモリにたくさん保管できるし。
対して、デジカメは普通パソコンに吸い上げたらメディアをフォーマットしちゃうので、1ヶ月前の写真を「見せて」といわれてもまず無理なのだ。これは不便だと以前から思っていた。
もうひとつは写真のやりとり。ケータイならその場でメールを送れるし、赤外線で直接送ることもできるし、ブログにも貼りつけられる。デジカメは無線LANや赤外線通信機能を持つものもあるが、基本的にパソコンを通さなければならない。撮ったその場で、というのは考えられてないので、「家に帰ったらメールするよ」が関の山だ。
そりゃあ、毎日モバイルPCや画像ビューワーなどを持ち歩いてたら話は別だが、世間の大多数はそうじゃない。
G1が目指したのはまさにそこ。基本コンセプトは「写真の保管&閲覧」と「コミュニケーション」というデジカメが苦手としていた2つなのである。
前者は2Gバイトの内蔵メモリと「アルバム機能」によって、後者は無線LAN機能によってそれを実現した。
まず最初にその2つの機能を見ておきたい。
iPodでは4Gバイトが当たり前、ケータイでも1Gバイト内蔵端末が出てきた昨今、デジカメもそろそろという感じ。
G1は内蔵2Gバイト。これだけでしばらくは使えそうだ。ただ、600万画素でフルに撮ると撮り放題というわけにはいかない。ときどきPCに吸い上げて整理する必要があるだろう。
でもG1のすごさは「2Gバイト」だけではない。1枚撮影するたびに、元画像とアルバム表示用のVGAサイズの画像の2枚が自動的に生成される点にあるのだ。元画像はメモリースティックDuoに保存してもいいし、内蔵メモリに入れて、ときどきパソコンに転送して削除してもいい。そうしても、VGAのアルバム用画像は永遠に内蔵メモリにあるのだ。VGAなら1枚数10Kバイトなので、2Gバイトあれば2万枚以上は確実に保管できる。
つまり、内蔵メモリにアルバム用画像が残っている限り、いつでもその場で閲覧できるという仕組みだ(かつてサイバーショットMシリーズが搭載していた機能と基本的には同じ)。
そしてアルバムには撮影日付や撮影間隔をベースで自動的にアルバムが作られ、自動的に整理されていくのである。
自動作成アルバムが気に入らない場合は、自分でアルバムを統合したり、分割して整理し直すのも簡単だ。
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