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撮った写真を持ち歩ける“アルバムカメラ”――サイバーショット「DSC-G1」レビュー(5/7 ページ)

» 2007年03月29日 09時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 操作系は2007年型の新しいサイバーショットと同じ。

 Homeキーでクロスメディアバー風のホームメニューが表示され、そこで、撮影・再生・音楽・ワイヤレス・設定などを行う。撮影と再生の切替は専用のボタンでも可能だ。

 機能が多いので、このHomeキーは便利。

 個々の中ではMENUキーによるメニューで項目を設定する。

側面のMENUキーで撮影の詳細を設定。高精細な分、きれいな文字で細かいヘルプが表示されるのがよい
HOMEキーを押すとこのメニューになる。左から撮影・再生・音楽プレイヤー・コミュニケーションという感じに並ぶ。これはビューワー(再生)メニュー。5種類の閲覧ができる(左)設定メニューのカメラ設定画面。設定内容は最小限でシンプルだ(右)

 液晶が高精細なのでその分文字も細かく、見やすくていい。

底面には三脚穴、コネクタ、バッテリーとメモリースティックDuoスロットがある。バッテリーは残量の詳細が分かるインフォリチウムタイプ(左)クレードルには閉じた状態でのせるため、全画面液晶といった風。クレードルのconnectボタンを押すとPCとのリンクがはじまる。3.5インチの液晶はさすが93万画素の細かさだ(右)

 バッテリーはインフォリチウムのRタイプで、CIPA規格で約280枚。3.5インチと大きな液晶を持ちながらこの枚数は立派だと思う。

2Gバイト内蔵のアルバム機能は面白いが高めの価格と大きさが難点

 カメラ機能は駆け足になってしまったが、まあ性能的にはノーマルなサイバーショットTと思えばいいだろう。

 気になるのはサイズと価格。横幅93.3(撮影時は113.8)ミリ、高さ71.7ミリとコンパクトデジカメとしてはかなり大きめで、価格も7万円弱と3倍ズームコンパクトとしては倍くらいだ(※価格は発表時の実売想定価格)。

 この価格ではコラボショットを楽しみたくても、G1友達を複数集めるのは大変そうだ。もしDLNA機器も持ってなければ、無線LAN機能の魅力を発揮する機会はない。

 でも2Gバイトの内蔵メモリ&「撮った写真を永遠にカメラ内に溜め込んでいける」アルバム機能は秀逸で、まさに今のデジカメが必要とする概念かと思う。VGAサイズでどんどん古い写真も残していけるし、PC上のほかのカメラで昔撮った写真もVGAサイズのアルバム画像としてどんどん追加できるからだ。3.5インチの高精細液晶も見る・見せるという意味では素晴らしい。でも気軽に持ち歩いて「日常やイベントの記録を撮りまくる」カメラにしては大きくなってしまった。

 つまるところ、よくばってあれこれ詰め込みすぎたかな。

 個人的には、無線LANを省いて液晶をもうちょっと小さくして大きさと価格を抑えた、例えばT100に2Gバイトの内蔵メモリと「アルバム機能」を搭載したようなモデルが欲しかった。この「撮った写真を溜めていく」カメラは素晴らしい。これは、近い将来、主流になる機能ではないかとわたしは思っている。

 逆に仲間内で楽しむなら、2.5インチ液晶の「DSC-T20」クラスに無線LAN機能とアルバム機能を搭載したモデルの方がうれしいだろう。G1は常に持ち歩いてないと楽しみが半減するデジカメでありながら、それにはちょっとでかいからだ。

 新しいコンセプトに大きなモニターに無線LANに新しいデザイン……とたくさん入れすぎたことで、「面白そうなんだけどちょっと高いからやめとこう」と思われかねないカメラになってしまった。

 でも、予算があってこのサイズがOKなら、アルバム機能とコラボショットが新しいデジカメの面白さを味あわせてくれると思う。目指すところは間違ってないと思うのだから。

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