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温泉たまごが食卓を飾る幸せ――象印「エッグDoDoDo」橘十徳の「自腹ですがなにか?」(2/2 ページ)

» 2007年04月17日 10時58分 公開
[橘十徳,ITmedia]
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 どう違うかといえば、ツインバードの方は卵を入れた容器に熱湯を入れて、その余熱で温泉たまごを作る。調理中はコンセントもつながない。要するに、ただの器として使うだけなのだ。対する象印の方は、水と卵をセットしてコンセントをつなぎ、一から暖める。この方式の利点は、作れるのが温泉たまごだけではないところだ。固ゆで卵も作れるし、半熟卵も作れる。白身は半凝固させて黄身は生のままで食べる「三分ゆでたまご」も作れる。

 ツインバードの方は温泉たまご・ヨーグルト・果実酒というマルチな才能を発揮しているのに比べて、象印には「卵一筋」という一徹さが感じられる。なんか頑固な職人みたいで、ワタクシは象印みたいなタイプに弱い。しかも象印は卵についてはどんなスタイルでもどんと来い、という点も魅力だ。そんなわけで結局、象印に決定した。

 ただし店頭で実物を見たところ、正直言って買うのには少し躊躇した。ニワトリをイメージしたデザインで、蓋の上の取っ手がトサカ、左右の持ち手が羽、下部には足のような形をした出っ張りがある。これで蓋の正面に眼やクチバシの絵でも描かれていたら、おそらく購入は見送ったであろう。個人的な好みを言わせてもらえば、こういう機器というのはできるだけシンプルなデザインにしてほしい。

photo 「温泉卵」と「ゆで卵」が選択できるスイッチレバー

 機器の構造自体は、いたって簡単である。湯沸かしポットのようなヒーターが入った本体にたまごを置くためのスタンドがセットされていて、その上に蓋がかぶせられているだけだ。使い方は水位線まで水とたまごを入れて、あとはスイッチレバーを「温泉卵」と「ゆで卵」のどちらかに入れればセットは完了。半熟卵の場合は水を少なめに入れる。

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photo 水位線まで水とたまごを入れる。半熟卵の場合は水を少なめに

 できあがるとピーッとブザーが鳴る。このブザーは鳴るだけで、スイッチが自動的に切れるわけではない。自分の手で切る必要があり、この点は少し面倒だ。しかし、どっちにせよ卵が茹で上がったらすぐに水に浸けて冷やさないと余熱でどんどん固まってしまうから、この方式でもいいのかもしれない。

photo 出来上がり

 ちなみにブザーが鳴る時間はあくまでも目安だ。実際に何個か温泉たまごを作ってみたが、水温や堅さの好みによってゆで時間はビミョーに変わる。さらに理想を言えば、茹で上がったら自動的にお湯を排出して水に浸けてくれるようなハイテクなものがいいのだが、そんなものを作ったらかなりの値段になってしまうし、おそらく高いから誰も買わないだろう。

 フツーのゆで卵を作るだけなら、フツーにコンロで湯を沸かせばいいわけで、これを買う必要性はあまり感じられない。この製品のキモは、温泉たまごを作るのに最適な湯の温度に保つことが可能な点にある。ここに実売で4000円弱の価値を認められるなら“買い”だろう。ちなみに自分はヒジョーに満足している。オカズの品数が少ないときもアラ不思議、温泉たまごを付け足すだけで旅行気分に浸れるからだ。我ながら第一回からなかなかナイスな買い物をしたものである。こりゃ幸先良いぞってなわけでみなさん、なにはともあれこれからよろしくお付き合いください。

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