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れこめんどDVD:「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(Blu-ray Disc)DVDレビュー(2/3 ページ)

» 2007年06月08日 13時50分 公開
[飯塚克味,ITmedia]

ディズニーのロゴで感動

 CH-1はディズニーのロゴから始まるが、シンデレラ城に花火が打ちあがる新しいタイプ。この時点で本作品の高画質っぷりがどれほどのものかを実感できる。コーポレートロゴのCGでグっとくることなどそうあるものではないが、これは間違いなく人を感動させられる。

 その後、緑がかった海面にタイトルが登場。DVDではいまひとつ背景に埋もれた感じだったが、見事に浮かび上がってきているのが分かる。

 タイトルが明けると、雨に濡れた暗い顔のエリザベスが登場。一体何が起こったのかと思わせるうまい演出だ。その後、この日が彼女の結婚式で、相手のウィル・ターナーが東インド会社によって逮捕されたことが分かる展開になっている。しかし、映像は必要以上に暗く撮影され、およそハリウッド映画らしからぬタッチを見せている。

 CH-2ではジャック・スパロウが登場。海に投げ捨てられた棺おけから出てくるという相変わらず人を食った設定だが、そんなところがジャックらしい。ここはナイトシーンで背景は闇そのもの。ブラックパール号に前作で宿敵バルボッサが飼っていた猿が亡霊のままいるのがおかしい。

 CH-3はウィルが東インド会社のベケットと交渉し、ジャックのコンパスを取ってくる取り決めをする場面だ。ここも窓外に映る背景こそしっかり陽があたっているが、室内はかなり暗く、写実的な画作りになっているのが分かる。

 CH-4ではブラックパール号でジャックの前にかつての旧友ビル・ターナーが現われ、ジャックに警告をする。船の中に広がるきしみの音が空間をより広がらせ、まるで自分が船内にいるかのような錯覚を覚える。ビルは長年デイヴィ・ジョーンズに仕えていたせいで、顔には貝やらヒトデやらがくっついて、海の幽霊のような顔になっている。

 ここまで見ていて本作の画面が全体的に暗く作られていることに気付くだろう。しかし、ディテールはしっかり出ているし、諧調も申し分ない。難があるとすれば、明るい部屋で見ている場合、プラズマだと自分の顔が画面に映ってしまうことだろう。これは部屋を暗くしてみることを前提にした演出意図なのかもしれない。

船の大きさを捉えた空撮映像が圧巻

 CH-5ではデイヴィ・ジョーンズの怪物、クラーケンの襲撃を恐れたジャックが、陸揚げしたブラックパール号で登場する。船の大きさが空撮によって見事に表現されている。スクリーン再生している人はその巨大さに圧倒されることだろう。

 CH-6では人喰い人種に捕らえられたジャックとブラックパール号の乗組員の面々、そして再会したウィルたちの運命が描かれる。ここではジャックは神と崇められ、原住民はその肉を食べて力を手に入れようとしている。

 メジャー映画で人喰い人種とは何とも奇妙な感じだが、その辺はディズニー映画なので、演出面でグロテスクな方向には行かない。しかし、背景に作りこまれた美術からは人骨で作られた様々な道具が確認でき、よーく見るとまるで「悪魔のいけにえ」のようにも見えてくるから、おかしくてつい笑ってしまった。

 CH-10はなんとかその集落からから逃れたジャックたちが預言者ティア・ダルマと再会するくだり。彼女が発する言葉と、部屋の異様な雰囲気にのまれてしまって見落としがちだが、猿が向かった先にいる人物に注意しておいてもらいたい。足しか映らないが、誰かは後ほど明確になる。

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