今年6月に登場したキヤノン「IXY DIGITAL 810 IS」は、昨年4月発売の「IXY DIGITAL 800 IS」の後継機だ。レンズは、従来と同じく35ミリ換算で35〜140ミリ相当の焦点距離を持つ光学4倍ズーム。IXYのラインアップには広角に強い光学3.8倍ズーム機「IXY DIGITAL 900 IS」もあるが、このIXY DIGITAL 810 ISは望遠撮影にやや有利なIXYである。
従来機からの改良点は、CCDを1/2.5型有効600万画素から1/2.5型有効800万画素へと細分化したこと。処理エンジンはDIGIC IIからDIGIC IIIに進化し、顔優先AF/AE/FEに新対応。最高感度はISO800からISO1600へとアップしている。
ボディのサイズと重量に変化はなく、滑らかな連続曲面で構成されたカーバチャーデザインを継承する。カラーリングはこれまでと同じく前面/側面/背面の3層に分割されているが、従来のようにくっきり分かれた色ではなく、同系色のシルバーの濃淡が異なる3層に衣替えした。
ボタンやダイヤルの配置は踏襲しつつ、より操作しやすいよう形状が微妙に改良された。液晶についてはサイズは同じ2.5型だが、画素数を17.3万画素から23万画素へと精細化した上で、液晶表面のコーティングを変更したことで、汚れやキズ、反射に強くなった。
以上のように、基本的なスペックやデザインに大幅な変化はなく、マイナーなモデルチェンジといっていい。感度ISO1600への対応や顔優先の採用はIXYの上位機としては新しいが、春に発売した下位モデル「IXY DIGITAL 10/90」が一足先に実現している。
ただし、単なるマイナーチェンジでは終わらないのがキヤノンの商売の上手さである。毎月のように次々と新製品が現れるコンパクトデジカメの世界は、常に新しい話題を提供し、市場やメディア上で目立つことが重要なカギ。このIXY DIGITAL 810 ISでは、「ファンタジーナイトモード」というユニークな新機能を搭載することで、目新しさをアピールしている。
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