最近のトレンドである顔認識については、前述の通り、春モデル「IXY DIGITAL 10/90」と同等のものを搭載する。昨年までのモデルは、AF(ピント)とAE(露出)のみの顔認識だったが、本モデルやIXY DIGITAL 10/90ではFEにも対応し、ストロボ光量を自動的に顔に最適化してくれる。
また赤目補正機能が進化し、撮影後に補正したい画像を表示し、カメラ内部のソフト処理で赤目補正ができるようになった。撮影時に、赤目緩和ランプを発光して赤目を軽減することも可能だが、それだけでは防げなかった赤目も確実に除去できる。
カメラとしての基本性能は、従来までと同じく安心して使える無難な内容だ。特に、暗所でもてきぱきと作動するAF、安定感の高いオートホワイトバランスとオート露出、画像や画面をくっきり鮮やかに表示する液晶モニターについては高いレベルといっていい。
写りは、初期設定のモードではやや派手な色合いで、実際の見た目よりも鮮やかでメリハリ感のある画像となる。マイカラー機能を使って、さらに高彩度で高コントラストにしたり、逆にナチュラルな色合いにしたりもできる。
高感度についてはISO400以上ではざらつきが生じ、ISO800や1600ではかなりノイジーになる。ノイズリダクションが弱めで、解像感重視の高感度画質だ。手ブレ補正機能があるので、積極的には高感度を選びたくないが、被写体ブレを防ぎたいシーンでは有効だろう。
最近のIXY DIGITALシリーズは、もはやメモやスナップを撮るためのコンパクトデジカメとしては完成の域にある。今後、画質や操作性をブラッシュアップしていくことは当然必要だし、デザインのバリエーション展開にも興味がある。ただ、それだけでなくデジタルならではの新しいチャレンジをもっと見てみたいし、体験してみたいと思う。そういう意味では、このIXY DIGITAL 810 ISのファンタジーナイトモードは結構楽しめた。
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