やっとFinePixに待望の手ブレ補正機能が付いた。富士フイルムのFinePix Fシリーズは、FinePix F10が出たときから高感度時の画質に評価が高かった。独自の画素配列を持つ「スーパーCCDハニカム」は通常のCCDに比べると画素を大きくできる上、画素数を増やさずCCDを大きめに、という「高感度設計」のデジカメを実現可能としていたからだ。
欠点もあった。ずんぐりして魅力的なボディとはいえなかったのである。
ただ、感度というのは極端な話、画質さえどうでもよければどんどん上げられる。ノイズが多くても、無理矢理増幅して「ISO3200」をうたうことも可能だ。現在では各社製品がISO1600以上のモードを持つようになり、光学式手ブレ補正機構の普及も相まって、FinePixが数字上の優位さをもつことはなくなっていた。同じ感度で画質を比べるとFinePixの方が上でも、ほとんどのユーザーはそこまで比べはしないからだ。
となると、バッテリーの持ちはよいけれどもちょっと分厚い、高感度だけれども手ブレ補正機構を持ってない、という欠点が目に付いてしまう。
そこに登場したのが今回の「FinePix F50fd」である。従来と同様「スーパーCCDハニカム」を搭載しながら、CCDシフト式の手ブレ補正と、スリムなボディを実現。2006年のFinePix F31fdから優秀な顔認識機能は持っていたので、これで、高感度・手ブレ補正・顔認識の3大トレンドをすべて網羅。さらに画面が大きくなり、ボディも薄くなったのである。
とうとうFinePixも最強のスペックを手に入れた……のかも。
FinePix F50fdは1/1.6インチの1200万画素 スーパーCCDハニカムHRを搭載したデジカメ。
前モデル(FinePix F40fd)の800万画素に比べると大幅な画素数アップだ。カメラとしては1/1.7インチCCDを搭載したソニーのサイバーショット「DSC-W200」やカシオのEXILIM「EX-Z1200」などと同ランクで、コンパクト機としては上位にあたる。
レンズは35〜105ミリ相当の3倍ズームでF2.8〜5.1とオーソドックスなスペック。
撮影最短距離はマクロモード時は広角時で7センチ、望遠時で30センチ。ただし、標準モードでは広角時で45センチと意外に寄れない。顔をアップで撮りたいときなど、ちょっとでも近距離ならマクロモードにしないとダメなので、マメなマクロのオン・オフが必要だ。
手ブレ補正は「CCDシフト式」。手ブレ補正機構を内蔵したレンズに比べると、効きはちょっと落ちるかなという気がする。
感度はISO100から1600で、画素混合により画像サイズを落とすことでISO3200(6メガサイズ)と6400(3メガサイズ)も使用可能だ。ISO感度は「M撮影」モードにしておけば自由に切り替えられる。
特にオートISO感度として「AUTO(400)、AUTO(800)、AUTO(1600)」と感度の上限によって3種類用意されているのはよい。
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