ニコンは8月23日、プロフェッショナル向けデジタル一眼レフカメラ「ニコン D3」を11月より販売開始すると発表した。価格はオープンで、実売想定価格は58万円前後(ボディのみ)。
新開発した有効画素12.1メガの大型CMOSセンサーを搭載する同社のフラグシップ機で、「D2XS」の後継にあたる。新搭載されたCMOSセンサーのサイズは35ミリ判サイズ相当となる36×23.9ミリで、同社では「ニコンFXフォーマット」と呼称している。
D2Xsなどに採用されている「DXフォーマット」(23.6×15.8ミリ)や、「5:4」(30×24ミリ)に準じた撮影範囲に設定することも可能で、その際、撮像されない部分については、ファインダー領域も自動的にますくされる。なお、DXレンズを装着すると自動的にDXフォーマット撮影に切り替える機能も搭載されている。
新型のCMOSセンサーは光の利用効率を高めた素子構造の採用や回路配置の工夫により、低感度から高感度まで広い感度領域で安定した高画質を実現する。実用撮像感度はISO 200〜6400と広範囲だが、さらにISO 100/ISO 25600までの減感/増感が可能となっており、さまざまな撮影シチュエーションに対応する。
レリーズタイムラグはD2XSと同等の37ミリ秒。起動時間はD2XSより高速な約0.12秒。FXフォーマット/5:4時は約9コマ秒、DXフォーマット時には約11コマ/秒の連続撮影が行える。UDMA対応によってメディアへの書き込み速度も最高35Mバイト/秒に高速化されており、FXフォーマットで撮影された約6Mバイトの画像データを毎秒5コマ以上の速度で記録できる。
AFは51のAFポイントを持つ「マルチCAM3500FXオートフォーカスセンサーモジュール」を搭載しており、中央部の15点は装着したレンズの階調F値がF5.6までクロスセンサーとして機能する。AFポイントは51点から、もしくは11点から任意の1点を選ぶことも可能だ。搭載するAEセンサー「1005分割RGBセンサー」で被写体の色や輝度などを分析、AE/AF/AWBに反映する「シーン認識システム」も搭載する。AFについては調整幅の保存が可能な微調整機能を備えており、レンズごとの合焦誤差を吸収できる。レンズ20本分の調整値を保存できる。
撮影画像の画作りや調整を行う「ピクチャーコントロール」も搭載。「スタンダード」「ニュートラル」「ビビッド」「モノクローム」が用意されており、それぞれについて輪郭強調/コントラスト/明るさ/色の濃さ/色合いを任意に調整できる。自身の設定を9つまで保存しておくこともできる。
3インチの高精細(VGA)背面液晶を搭載し、ライブビュー機能も搭載する。ライブビューについては全AFポイント(51点)を用いたTTL位相差検出方式AFでピントあわせできる「手持ち撮影モード」と、三脚の利用を前提に任意ポイントでコントラストAFによるピントあわせが行える「三脚撮影モード」の2つを備える。
外観カバーやシャーシ、ミラーボックスなどの主要部品にはマグネシウム合金を使用するほか、各結合部はOリングなどでシーリングされており、高い防滴・防塵性能も併せ持つ。シャッターユニットにはハイブリッド新素材のシャッター羽根を採用し、実装状態で30万回のレリーズテストにクリアする耐久性を持つ。
記録メディアはコンパクトフラッシュ(Type I/II、UDMA/マイクロドライブ対応)で、スロットを2基備えるデュアル構造。2枚のカードをセットした状態では、1枚がフルになっら次へ記録する「順次記録」のほか2枚のカードへ同時記録する「バックアップ記録」、2フォーマットのファイルをそれぞれのカードへ同時記録する「RAW+JPEG分割記録」といった保存が可能。また、カード間のコピーも行える。
傾斜センサーも搭載しており、左右方向の傾きを検出し背面液晶に表示可能。液晶にはシャッタースピードや絞り値などの撮影情報を表示させることも可能で、利用シーンに応じて黒文字/白文字表示の切り替えが行える。
主な仕様は以下の通り。
製品名 | ニコン D3 |
---|---|
形式 | レンズ交換式一眼レフレックスデジタルカメラ |
レンズマウント | ニコンFマウント |
撮像素子 | 36.0×23.9ミリCMOSセンサー「ニコンFXフォーマット」、有効1210万画素 |
ISO感度 | ISO 200〜6400相当、ISO25600/ISO100相当の感度拡張が可能 |
記録画素数 | 4256×2832/3184×2120/2128×1416ピクセル(FXフォーマット)、3552×2832/2656×2120/1776×1416ピクセル(5:4)、2784×1848/2080×1384/1392×920ピクセル(DXフォーマット) |
記録方式 | JPEG、TIFF、RAW(12/14ビット) |
測光方式 | 1005分割RGBセンサーによるTTL開放測光方式 マルチパターン/中央部重点測光/スポット測光 |
AF | TTL位相差分検出方式 フォーカスポイント51点(クロスセンサー15点含む) |
AFエリアモード | シングルポイントAF、ダイナックAF(9点/21点/51点)、オートエリアAF |
シャッタースピード | 1/8000〜30秒 |
露出制御 | プログラムオート、シャッター優先オート、絞り優先オート、マニュアル |
露出補正 | ±5段、補正ステップ:1/3、1/2、1段ステップ |
レンズサーボ | オート(シングルAFサーボ「AF-S」、コンティニュアスAFサーボ「AF-C」)、マニュアル |
ホワイトバランス | オート/マニュアル(7種)、色温度設定可能 |
連写機能 | 最高約9コマ/秒(FXフォーマット/5:4)、最高約11コマ(DXフォーマット) |
液晶ディスプレイ | 3型TFT液晶ディスプレイ(640×480ピクセル) |
記録メディア | コンパクトフラッシュ(Type I/II) UMDA/マイクロドライブ対応。デュアルスロット装備 |
サイズ | 約159(幅)×87.5(奥行き)×157(高さ)ミリ |
重さ | 約1240グラム(本体のみ) |
発売時期 | 11月 |
実売価格 | 58万円前後(ボディのみ) |
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