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あこがれを手に入れる、フルサイズ一眼の価格を比較価格比較

» 2009年07月02日 15時08分 公開
[ITmedia]
photo フルサイズCMOSを搭載するニコン「D3」

 これまでデジタル一眼のフルサイズ機と言えば、キヤノン「EOS-1Ds Mark III」やニコン「D3X」といった大柄かつ高価なプロ向け製品しか存在していなかったが、昨年後半にはニコン「D700」、ソニー「α900」、キヤノン「EOS 5D Mark II」と少し背伸びをすれば狙えるフルサイズ機が登場している。

 まず、「フルサイズ」とはなにか、確認しておこう。フォーサーズ/マイクロフォーサーズ規格を採用する製品を除けば、ほとんどのデジタル一眼が、APS-Cもしくはフルサイズと呼ばれるサイズの撮像素子を搭載している。APS-Cは約23×15ミリ前後、フルサイズは35ミリフィルム1コマ(36×24ミリ)に端を発することから、約36×24ミリ前後の大きさを指すと理解していい。

 市場を見渡すとエントリークラスではAPS-C、ミドルクラスでも限りなくプロフェッショナルに近い機種とプロフェッショナルクラスの製品がフルサイズの撮像素子を採用しているが、APS-Cに対する、フルサイズの利点とは何だろうか。

 ひとつは画素あたりの大きさに起因する画質の高さだ。画素数が同じで面積が異なる場合、撮像素子のサイズ(面積)が大きな方が素子1つあたりの受光面積が広くなる。そのため、フルサイズの撮像素子を搭載した機体には、色調や階調の再現性に優れる、高感度撮影時の画質低下を軽減できるなどのメリットが期待できる。

 一例を挙げると、ニコン「D700」は12.1万画素/フルサイズ、同じく「D300」は12.3万画素/APS-Cの撮像素子を搭載している。“画素が多い(高画素)”のは後者だが、素子そのもののサイズは前者の方が大きく、画素1つあたりの面積も広い。そして、どちらがよりプロフェッショナルに向けた製品として位置づけられているかと言えば、それは「D700」だ。

 撮像素子サイズが大きなことに起因する、“ボケ”も特徴として挙げることができるだろう。撮像素子サイズの大きな方が同じ画角(写る範囲)でのレンズの焦点距離が長くなり、被写体深度は浅くなる。つまり、画角や焦点距離、絞りなどの値が同一ならばフルサイズ機の方が、ボケ量が多くなり、ボケをいかした撮影がしやすくなる。

 こうしたメリットのあるフルサイズ機だが、やはり購入時にネックなるのは価格。ほぼプロ仕様ともいえる製品が多くなるため、価格相当の装備やスペックを備えているのも確かだが、ボディのみでも30万円越えはザラの世界だ。購入を検討しているならば、最新の価格情報チェックは欠かさずにいたい。

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