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パイオニアが液晶市場へ、シャープとパイオニアが提携

» 2007年09月20日 17時54分 公開
[ITmedia]

 シャープとパイオニアは9月20日、業務及び資本提携に関する合意書を締結したと発表した。両社は次世代DVDや家庭向けネットワーク製品、カーエレクトロニクス、ディスプレイなど幅広い分野の共同開発を推進する。

photo シャープ 取締役社長 片山幹雄氏(左)とパイオニア 取締役社長 須藤民彦氏(右)。

 資本面では、パイオニアが第三者割り当てで発行した新株式3000万株をシャープが引き受けることで、シャープはパイオニア株の14.28%を保有する筆頭株主となる。同時に、シャープは発行済み自己株式1000万株を第三者割り当てにてパイオニアへ割り当てる。

photo 8月にシャープが公開した次世代の薄型液晶テレビ。片山社長は提携効果の一例として、このテレビへパイオニアのオーディオ技術を導入する可能性を挙げた

 「経営環境は厳しさが増す一方であり、そこでは戦略的な企業提携は欠かせない。ただ、その相手はどこでもよい訳ではない。相性のよい相手と提携しなくてはならない。先日公開した“2センチの液晶テレビ”にはよい音も不可欠だが、そこにパイオニアのオーディオ技術が導入できればかなりのシナジー効果を見込めるだろう」(シャープ 取締役社長 片山幹雄氏)

 「以前から情報交換を含め、シャープとは親しくさせてもらっていた。提携によって、既存事業の強化、新事業の立ち上げ、独創的な製品づくりを実現できると考えている。資本提携によってシャープが筆頭株主となるが、独自性は失わない」(パイオニア 取締役社長 須藤民彦氏)

 具体的な提携内容については両氏とも「共同開発を進めていく」と述べるにとどまったが、須藤氏は「これまでパイオニアの薄型テレビはPDPだけだったが、今後は液晶テレビもラインアップすることが可能になった」と今回の提携によってパイオニアからシャープ製の液晶テレビが販売される可能性を示唆した。

 ただ、パイオニアのPDP中心という戦略に変化はないようだ。「PDPが中心であり、それは変わらない。ただ、液晶には液晶のよさがある。ライバルメーカーはどこも液晶とPDPの2本柱。戦略の変化ではなく、追加だと思っている」と須藤氏が述べれば、片山氏も「パイオニアが液晶を扱えば、大口の顧客となる。工場の稼働率も上がる」と歓迎の意を表した。

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