写り込んだゴミを付属ソフトのDigital Photo Professionalで補正する仕組みも搭載している。フィルターの振動で落ちないゴミがあったら後処理で削除することもできるが、基本は超音波振動で全部落ちてくれるのが理想。これまで何度かレンズ交換はしているもののゴミの写り込みはないようだった。
そのほかの新機能をまとめてみると、再生機能ではメニュー画面に「画像消去」が新設され、画像を選択して削除することができるようになった。また、画像再生時にINFOボタンを押すと詳細を表示できるが、これまでは詳細表示でRGBと輝度のヒストグラムのどちらかしか表示できなかったが、RGBと輝度のいずれも表示できるようになった。
セルフタイマーでは2秒タイマーをサポート。ボディはマグネシウム合金製の外装でCFカードスロットや電池室のフタなどにもシーリングが施され、防滴性能が向上している。また、外部ストロボの制御機能も向上、「スピードライト 580EX II」を組み合わせればカメラからストロボをほぼ全制御できるようになっている。
本製品を30Dから比較で語れば、カメラとしての全体的な完成度を高めた製品と言える。30Dと同様に、APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載するため、同社のAPS-Cサイズセンサー搭載のデジタル一眼レフでは最上位機種、ということになる。そのため、特にサードパーティ製レンズで多い「デジタル専用」と呼ばれるレンズを使っているユーザーにとっては、買い換えでステップアップをしようと思うと40Dしか選択肢がない。
製品としての性能は確かに高い。しかし、価格もスペックも「モノとしての魅力」も、あくまで「Kiss Digitalの上位モデル」という感が否めない。キヤノンが出せる技術のすべてを詰め込んだという感じもない。開発とマーケティングの双方が折り合いをつけた「堅実な」製品という印象だ。
10万円台前半のデジタル一眼レフとして、性能は十分以上のレベルにあり、コストパフォーマンスは高い。バランスの優れた製品であり、一般的な撮影をする分にはほとんど不満を感じることはないだろう。デジタル一眼レフはまだ発展途上の製品であるし、一生使い続けるような製品の開発が難しいことを考えれば、現時点で選ぶという意味では間違いない製品といえるだろう。
ちなみに筆者は30Dと40Dの双方を購入しているが、30Dユーザーへ買い換えを勧めるのは少しためらう。ライブビュー、ゴミ取り、AF精度の向上など、30Dユーザーにも訴求するポイントもあるが、まだ30Dも十分現役として使える。Kiss Digitalの新製品も登場するであろうし、5Dの後継機種が出る可能性もないわけではないので、そのあたりを見極めても遅くはないだろう。
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