三洋電機の「DIPLY TALK」(ディプリトーク)といえば、MP3録音やPCとのダイレクト接続にいち早く対応し、企業ユーザーやマスコミ関係者を中心に幅広く支持されているICレコーダーだ。専用ソフトなしで再生できる汎用性とファイル移動の手軽さが特徴で、とにかくPCとの相性がいい。
先日リリースされた最新モデル「ICR-PS390RM」では、新たに8Gバイトの大容量メモリを搭載し、暗証番号で保護できるセキュリティ領域を確保した。さらにPCでお馴染みの「ゴミ箱」を設けるなど、他社にはない機能を追加している。同社DIカンパニーDCS事業推進部DA商品部の横田十久雄担当部長に新製品の狙いと今後の戦略を聞いた。
――新製品では8Gバイトという大容量メモリを搭載しました。その狙いを教えてください。
8GバイトのメモリはICレコーダーとしては世界最大です。MP3のステレオ録音で最大558時間、リニアPCMでも約12時間の録音が可能になりました。リニアPCMは2006年モデルで初めて搭載したのですが、音質面のメリットが大きい反面、ファイル容量がMP3の約20倍になるというデメリットがあります。
とくに昨年のモデルは1Gバイトと2Gバイトの2モデルでしたから、最大でも3時間しか録音できませんでした。しかし今回は、セキュリティ領域と通常領域に6時間ずつ、合計12時間記録できます。
――12時間ぶっ通しで録音することはできないのですか?
残念ながら、それはできません。通常領域とセキュリティ領域は、各4Gバイトに固定しています。ただ、6時間あれば音楽の録音など幅広く使えるでしょう。
ICレコーダーはもともとビジネスマンが会議などを録音することがメインでしたが、リニアPCM録音が可能になって、バンドの生録など音楽用途に使われることが増えました。
DIPLY TALKでは、音楽CDと同等の16bit/44.1kHzで記録できますし、CDに焼く際も変換の手間がありません。もちろん専用機器にはさらに高いビットレートで録音できるものも存在しますが、ICレコーダーならコンパクトで携帯性が高く、電池の持ちもいい。今回のICR-PS390RMでは、単四形のアルカリ乾電池もしくはeneloopを使用して最大6時間の連続録音が可能です(編注:本来はアルカリ乾電池で約9時間の連続PCM録音が行えるが、メモリ領域によって連続録音は6時間に制限される)。
マイクも新たに開発したもので、集音性は従来の約3倍に向上しています。机の上に置くときなどは最大90度のチルトアップが可能で、机の反響音やノイズを低減させながら集音性を高めることができます。また録音感度は自動(ALC ON)とマニュアル(ALC OFF)を選択でき、マニュアルの場合は録音レベルメーターとピークランプを使って好みの録音レベルに調整できます。調整は31段階ときめ細かく、感度を落とすと大音量録音時の“音割れ”も防止できます。
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