カメラスペック的には現行モデルの「DSC-T70」と同等と考えて良さそうだ。有効画素数810万画素1/2.5型CCDを搭載し、レンズはカール ツァイス バリオ・テッサー光学3倍ズームレンズを備える。レンズの焦点距離は38〜114ミリ(35ミリ判換算時)、F値はF3.5〜F4.3。
画像処理システムの「BIONZ」やクリアRAW NR、NRスローシャッター、Dレンジオプティマイザーといった機能もDSC-T70と同様に備えており、さらに光学式手ブレ補正とISO3200までの高感度撮影にも対応する。また、顔検出機能もサポートし、ソニーが今注力している「スマイルシャッター」ももちろん利用できる。
スマイルシャッターは「AUTOモード」とシーンモードの「スマイルシャッター」でないと利用できず、撮影機能が豊富なプログラムモード利用時に使えないのは残念だが、スマイルシャッター自体は面白い。
顔検出で人の顔を認識し、シャッターボタンを押すと、検出した人が笑った瞬間に自動的にシャッターが下りる、という仕組み。どの程度までを笑顔と判断するかは「スマイルレベル」設定から3段階で選べる。けっこうな確率で笑顔をきちんと認識してシャッターが切れるので、実際に使ってみると面白いし便利。構図を決めておいて、後は笑えばシャッターが切れるので、セルフタイマーがわりにも使える。
たまにまったく笑顔でない瞬間にシャッターが切れるのはご愛嬌だが(口元を手で隠すと笑顔と認識されやすかった)、楽しんで撮影できるし、シャッターチャンスを逃さないという意味でも今後さらなるブラッシュアップを期待したい機能だ。
そのほかにもタッチパネルをいかした再生機能としては、付属のタッチペンを使った写真へのお絵かき機能や、スタンプ、フレームの設定機能、音楽とあわせたスライドショー機能「音フォト」、わざわざ独立のハードウェアボタンが設定されている「スクラップブック」といった機能を搭載する。
全体として見れば目新しい機能を搭載したというわけではないが、タッチパネル、大容量内蔵メモリ、スマイルシャッターといったデジカメらしい楽しめる機能を、手軽に持ち歩けるコンパクトデジカメに搭載したという点がポイントだ。
タッチパネルによる操作は好みが分かれるところかもしれないが、レンズカバーをスライドさせてサッと撮影する、という快適さもあるほか、光学式手ブレ補正も高感度撮影も備えており、コンパクトデジカメとしては大きな不満のないレベルにまとまっている。デザインと手軽さで購入して、使ってみたらタッチパネルと内蔵メモリの便利さを実感する――そんな製品といえる。
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