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贅沢なパーソナルサイズ、初の有機ELテレビ「XEL-1」(後編)(2/2 ページ)

» 2007年12月12日 00時01分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 設定は簡単だ。XEL-1の場合、既にネットワーク設定を行っているなら、設定メニューでサーバを検索するだけでいい(サーバになるRD-A300側は『ネット de ナビ』を使ってXEL-1のMACアドレスなどを登録しておく)。サーバを見つけると、XMBのビデオに「RD」のロゴが表示され、選択するとフォルダと録画番組の一覧が見えた。番組名ではTS録画とVR録画の番組が「MPEG2」と表示されて区別しにくいのが残念だが、録画日時やフォルダがそのまま参照できるのはありがたい。

photophoto 「RD」というアイコンが出現(左)。フォルダ構造も再現されている(右)

 番組を選択すると再生開始。XEL-1のリモコンを使ってトリックプレイも可能だ。例えば方向キーの左右で各3段階の早送り/早戻しが可能。決定キーで一時停止/再生。画面表示ボタンを押せば番組の再生位置や総時間を表示できる。また、途中まで再生した番組のレジュームにも対応するなど、利便性は非常に高い。リモコンを持ち替える必要がないから、再生に限ればHDMI端子直結よりも便利かもしれない。

photophoto 番組を選択すると録画日時や総時間、ファイルの種類などが表示される(左)。再生中に画面表示ボタンを押せば番組の再生位置や総時間を参照できる(右)

 とくにXEL-1のようなパーソナルサイズテレビは、書斎や寝室などリビングルーム以外の場所に置くセカンドテレビとしての需要が高い。イーサネットさえ引けば、リビングのレコーダーで録画した映像を視聴できるDLNAとは相性がいいだろう。しかも背面に接続するケーブルも1本で済み(電源ケーブルは別途必要)、お洒落な外観に与える影響も少ない。XEL-1を購入したら、是非活用してほしい機能だ。

 もちろん、DLANガイドラインに沿ったサーバソフトを導入すれば、PCをサーバにして画像や音楽も伝送できる。この場合は、背面のUSB端子にメモリなどを接続した場合と同様、XMBの「フォト」や「ミュージック」などにファイルが現れる仕組み。XEL-1の高コントラスト画面でデジカメ写真や動画を楽しめる。

 このほか、「アクトビラ」にアクセスできるブラウザ機能なども搭載。残念ながらITmediaは表示不可だったが、ニュースや天気予報など日常的な情報を得るには十分だ。

photophoto アクトビラの天気予報(左)。登録した語句に一致する番組を知らせてくれる「お好みナビ」も搭載

 薄くてカッコいい――ほかのテレビとは一味も二味も違う高級感の漂うXEL-1は、書斎の机や寝室に置くパーソナルサイズのテレビとして非常に高い完成度を持っている。もちろん、11インチという画面サイズは“大画面”ではないし、20万円という価格もネックだ。市場のメインストリームから外れた製品であることは間違いない。しかし、もし財布に余裕があり、ニーズに合致するのであれば、満足度の高い買い物になると思う。

 ともあれ、XEL-1の登場によってソニーは、他社にないオリジナルの薄型パネル――しかも超薄型で高コントラスト――を手にした。シャープやパナソニックに遅れをとった薄型テレビ市場で、ブラウン管時代のような存在感を出すことができるのか。大型化やフルHD化、そして前編でとりあげた「映画」チューニングも含め、今後の製品展開に期待したい。

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