設定は簡単だ。XEL-1の場合、既にネットワーク設定を行っているなら、設定メニューでサーバを検索するだけでいい(サーバになるRD-A300側は『ネット de ナビ』を使ってXEL-1のMACアドレスなどを登録しておく)。サーバを見つけると、XMBのビデオに「RD」のロゴが表示され、選択するとフォルダと録画番組の一覧が見えた。番組名ではTS録画とVR録画の番組が「MPEG2」と表示されて区別しにくいのが残念だが、録画日時やフォルダがそのまま参照できるのはありがたい。
番組を選択すると再生開始。XEL-1のリモコンを使ってトリックプレイも可能だ。例えば方向キーの左右で各3段階の早送り/早戻しが可能。決定キーで一時停止/再生。画面表示ボタンを押せば番組の再生位置や総時間を表示できる。また、途中まで再生した番組のレジュームにも対応するなど、利便性は非常に高い。リモコンを持ち替える必要がないから、再生に限ればHDMI端子直結よりも便利かもしれない。
とくにXEL-1のようなパーソナルサイズテレビは、書斎や寝室などリビングルーム以外の場所に置くセカンドテレビとしての需要が高い。イーサネットさえ引けば、リビングのレコーダーで録画した映像を視聴できるDLNAとは相性がいいだろう。しかも背面に接続するケーブルも1本で済み(電源ケーブルは別途必要)、お洒落な外観に与える影響も少ない。XEL-1を購入したら、是非活用してほしい機能だ。
もちろん、DLANガイドラインに沿ったサーバソフトを導入すれば、PCをサーバにして画像や音楽も伝送できる。この場合は、背面のUSB端子にメモリなどを接続した場合と同様、XMBの「フォト」や「ミュージック」などにファイルが現れる仕組み。XEL-1の高コントラスト画面でデジカメ写真や動画を楽しめる。
このほか、「アクトビラ」にアクセスできるブラウザ機能なども搭載。残念ながらITmediaは表示不可だったが、ニュースや天気予報など日常的な情報を得るには十分だ。
薄くてカッコいい――ほかのテレビとは一味も二味も違う高級感の漂うXEL-1は、書斎の机や寝室に置くパーソナルサイズのテレビとして非常に高い完成度を持っている。もちろん、11インチという画面サイズは“大画面”ではないし、20万円という価格もネックだ。市場のメインストリームから外れた製品であることは間違いない。しかし、もし財布に余裕があり、ニーズに合致するのであれば、満足度の高い買い物になると思う。
ともあれ、XEL-1の登場によってソニーは、他社にないオリジナルの薄型パネル――しかも超薄型で高コントラスト――を手にした。シャープやパナソニックに遅れをとった薄型テレビ市場で、ブラウン管時代のような存在感を出すことができるのか。大型化やフルHD化、そして前編でとりあげた「映画」チューニングも含め、今後の製品展開に期待したい。
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