パーソナル液晶テレビ特集(番外編)
簡単便利な“HDMIコントロール”の難しいトコロ
薄型テレビ普及のアクセルとして注目されるHDMIコントロール。パナソニックの「VIERAリンク」、シャープ「AQUOSファミリンク」にくわえ、今年に入ってから三菱電機やソニーも“HDMIコントロール”の名称で参入した。
しかし、シャープやパナソニックのインタビューでも触れている通り、もとは、HDMIの規格に含まれるHDAVIコントロールという標準技術である。基本的なコマンドは共通化され、各メーカーの製品間で相互に連係動作が可能になっている。そこで、パーソナル液晶テレビ特集で取り上げた製品のうち、ソニー“BRAVIA”「26J3000」を自宅に持ち込み、「VIERA リンク」対応のレコーダーと接続してみた。
BRAVIA+VIERA?
VIERAリンク対応のレコーダーというのは、パナソニック製のHDD内蔵CATV STB「TZ-DCH2000」だ。DIGAシリーズには含まれていないが、昨年夏のファームウェアアップデートで「VIERAリンク」をサポート。電源オン/オフ連動と、電源オン時のテレビ入力切り替えに限って利用できる。
HDMIコントロールは、それぞれのメーカーが独自の機能と位置づけているため、基本的に他メーカー製品との互換性に関する情報はない。しかも、試用機にはありがちなことだが、BRAVIAに説明書が添付されておらず、設定方法もわからない。したがって、まずはメニューから“それっぽい設定”を探すところから始める。
下の写真がBRAVIA「J3000シリーズ」の設定画面。HDMIコントロール関連の項目をすべてオンにしたあと、「HDMIコントロール機器一覧」を参照すると、「機器側の電源を入れ、連動に関する設定を有効にしてください」と出た。
DCH2000の画面に切り替え、「接続機器関連設定」の中にある「HDMI電源連動」「HDMI機器電源オフ連動」を「する」に変更。BRAVIAの画面に戻り、再度「機器認識」を確認すると、「チューナー1」と表示された。HDMIコントロールの対象として、TZ-DCH2000を認識したことがわかる。
さっそくBRAVIAのリモコンで電源をオフにすると、見事にSTBの電源も一緒に落ちた。VIERAリンクとソニーHDMIコントロールが共通仕様の部分でしっかり互換性を維持していることの証明だ。結構嬉しい。
しかし、再度電源ボタンを押すと、テレビ側の電源しか入らない。BRAVIAの画面は出るのに、一緒に起動するはずのTZ-DCH2000は反応しない。
謎は、すぐに解けた。TZ-DCH2000のサポート情報によると、VIERAリンクで実現できる機能は3つ。
- VIERAの電源をオフにすると、TZ-DCH2000の電源もオフになる。
- TZ-DCH2000の電源をオフにすると、VIERAの電源もオフになる。
- TZ-DCH2000の電源をオンにすると、VIERAの電源もオンになり、HDMI入力に切り替わる。
電源オン連動に関しては、TZ-DCH2000側をオンにする――つまり、STBのリモコンを使わないと連携しないのだ。VIERAリンクやAQUOSファミリンクのつもりで、ついテレビ側のリモコンを中心に考えていたのが間違い。考えてみれば、TZ-DCH2000は録画機である前にCATVチューナーである。外観はDIGAそっくりでも、位置づけとしてはVIERAの内蔵チューナーに近い。リモコンはVIERAのそれと同じタイプで、これをメインリモコンとして使うケースを想定しているのだろう。
今回は時間がなくて簡単な検証だけで済ませてしまったが、少なくともパナソニックとソニーに関しては、基本部分の連携が確認できた。もともとHDMIコントロールは、オプションとしてメーカーの自由がきく部分が多く、機能名称のブランド化と併せてメーカーの独自色が強くなったわけだが、あまりにイメージが先行してしまうと、勘違いから製品選択の幅を自ら狭めてしまう消費者も増えそう。
各社が実装しているプラスαの部分は、メーカー間の競争を促進する一面もあるため素直に歓迎したいが、せっかく異なるメーカーの機器でも利用できる機能があるのなら、自分のニーズに合わせたチョイスができるように心がけたい。人によっては、ベーシックな連携機能で十分という場合もあるはずなのだから。
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