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60GバイトHDD内蔵でもコンパクト――パナソニック「HDC-HS9」レビュー(1/5 ページ)

» 2008年02月18日 10時38分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 デジタル家電の展開において、パナソニックでは以前から“SD(カード)ネットワーク”を柱に据えている。デジタルビデオカメラに関しても、SD/SDHCメモリーカードのみを記録メディアに採用したモデル(HDC-SDシリーズ)が主体となっており、「撮影した映像データの活用は(可能なかぎり)手間のかからないSDメモリーカード経由で」というスタンスのようだ。

 確かにAVCHDで記録したHD映像は、まだ取り扱いが面倒な部分もあるので、同社製品を揃えているユーザーであれば、薄型テレビ「VIERA」での直接再生、レコーダー「DIGA」への取り込みなど、“SDネットワーク”に頼るのも悪くないかもしれない。

photo コンパクトなサイズはそのままに、60GバイトのHDDを内蔵した、ハイビジョンムービー「HDC-HS9」。SD/SDHCカードへの記録も可能だが、HDC-SDシリーズのようにSDメモリーカードは付属しない

 ただし、同社のハイビジョンムービーのラインアップには、SDカードに加えて8センチDVDに対応した「HDC-SX5」も存在する。さらに、今回発売されたのが、SD+HDDのハイブリッド構成を採用した「HDC-HS9」だ。60GバイトのHDDを内蔵し、新たに追加されたHAモード(1920×1080ピクセル/ビットレート 17Mbps)でも約7時間40分の撮影が可能となっている。

 パナソニックのビデオカメラでは、従来の「HDC-SD5/SD7」でもフルHD(1920×1080ピクセル)録画に対応していたが、ビットレートは最高品質の「HGモード」で13Mbps、以下、「HN(1440×1080、9Mbps)」「HE(1440×1080、6Mbps)」という構成だった。

 今回の「HDC-HS9」では、「HA」「HG」「HE」に加え、HNと同ビットレートでフルHD記録を行う「HX」が用意されている。65ナノメートルプロセス採用の新世代システムLSI「新UniPhier」を導入するとともに、高画質圧縮エンジンを搭載したため、従来と同じモードでも画質は向上しているという。

 最も低いビットレートのHEモードで内蔵HDDへ記録した場合には、約23時間の撮影が可能だが、連続記録は最大12時間なので、その場合は12時間が経過した時点で一時停止となるようだ(撮影開始/一時停止ボタンを押せば、撮影の再開が可能)。

 実売想定価格はソニー「HDR-UX20」(レビュー)やキヤノン「HF10」(レビュー)よりも若干(1万円程度)安く、ほぼ同機能でハードディスク非搭載の「HDC-SD9」とは同じく13万円前後。ただし、SDHCメモリーカード(8Gバイト)が標準付属するのはHDD非搭載の「HDC-SD9」のみで、「HDC-HS9」には付属していない。

photo レンズカバーは内蔵式で電源のオン・オフと連動して自動的に開閉する。標準でレンズフードが装着されており、別売のテレコンバージョンレンズやワイドコンバージョンレンズを利用する場合には取り外し可能

SDモデルと重量差はあるが、サイズ差はわずか

 本体のサイズは75(幅)×74(高さ)×126(奥行き)ミリ、撮影時質量は約450グラムで、スペック値ではキヤノン「HF10」とほぼ同じということになる。実際に触っていても、非常にコンパクトかつ軽い。とりわけ奥行きの短さが印象的で、ホールドしていて手のひらからはみ出る部分が極めて少ないため、取り回しも軽快だ。

photophoto バッテリーは横方向に装着する。付属バッテリーで約1時間の駆動が可能(実撮影時間)。スペースの制限からか、HDMI(ミニ)端子はバッテリーを外した部分に配置されており、利用時にはACアダプタ入力が必要(左)、メモリカードスロットは本体手前の底面部に装備されている。SDHC(4G〜16Gバイト)、および、SD(8Mバイト〜2Gバイト)に対応(右)
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