以前、ビデオカメラレビュー「HDR-CX7」vs.「iVIS HR10」の締めでも書いたとおり、“待望の”といっていいだろう。記録メディアをメモリに絞ることで、満足しうるレベルのコンパクト化を実現させたAVCHDビデオカメラを、キヤノンがリリースした。
発表された「iVIS HF10」「iVIS HF100」は、動画/静止画記録を行うリムーバブルメディアとして、SD/SDHCカードのみを採用したAVCHDビデオカメラだ。さらに、このうち「HF10」は、前回の記事で取り上げたソニー「HDR-UX20」と同様に内蔵メモリも搭載し、“ダブルメモリー”をうたった製品となっている。
価格で比較すると、“SDカードスロット+内蔵メモリ”のキヤノン「HF10」と、“DVD+メモリースティックDuoスロット+内蔵メモリ”のソニー「HDR-UX20」はほぼ同じ。内蔵メモリを省いてSDカードのみに対応したキヤノン「HF100」は、それよりも2万円程度安いということになるようだ。
内蔵メモリは「HDR-UX20」の倍の16Gバイトで、最高品質のFXPモード(約17Mbps)で約2時間5分の撮影が可能。このFXPは新たに1920×1080解像度での記録に対応したモードで、すでに実現していた“(撮影時の)フルHD読み出し”に加え、「HF10/100」ではそのまま“フルHD記録”も行えるようになったわけだ。
ほかに用意されている動画記録モードは、XP+モード(約12Mbps)/SPモード(約7Mbps)/LPモード(約5Mbps)で、内蔵メモリに記録した場合は各々、2時間50分/4時間45分/6時間5分まで撮影可能。ただし、これらのモードでは、従来と同じく解像度は1440×1080ピクセルでの記録となる。
「HF10」と「HF100」の性能差は、前述の内蔵フラッシュメモリの有無のみといってよく、本体に関してもカラーリング(HF10はルナシルバー、HF100はチタングレイ)が異なるのみ。また、これまでのキヤノン製ビデオには一種独特なデザインを与えられた製品(DC20などを筆頭に)も多々見受けられたが、「HF10」を実際に手にすると、意外なほどシンプルな外観となっている。
73(幅)×64(高さ)×129(奥行き)ミリと非常にコンパクトなサイズであり、さらにファインダーが省略されているという点で、ぱっと見には日本ビクターのEverio(GZ-MGシリーズ)に似た感じといえるかもしれない。ただ、渋めのカラーリングを含め、全体の雰囲気はまさしくiVISシリーズといえるもので、本体にぴったりと一体化するバッテリ(付属の標準タイプの場合)や、波形に滑らかなカーブを描く本体上部の形状など、こだわりも各所に見受けられる。
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