音に関しては、サイズや重さから想像していたより、かなり良好で驚いた。フルレンジスピーカーを使っていることもあってか、中域を重視したサウンドバランスで、なかでも声の明瞭さに関しては(一体型としては)かなりのレベル。再生帯域を欲張らなかった分、解像度感やダイナミックさに優位性を感じる。“アンチハリウッド的”映画やストーリー重視のドラマなどにピッタリで、セリフに込められた役者の細やかな表現がストレートに伝わってくる。いっぽうのアクションものは「重低音」モードにすれば多少迫力は増すが、そういったものを中心に楽しみたい場合のであれば、別体式のサブウーファーを用意する必要があるだろう。
サラウンド感に関しては、包まれ感を重視するよりも自然な音場を目指した印象を持つ。360度ビッシリ音に囲まれた印象はないが、センターの揺るぎなさ、左右への自然な広がりによってリラックスして映像を楽しむことができる。サラウンドを強調しすぎない、イコールおかしな付帯音がそれほどないため、ミューシック系ソフトの再生も良好。アンジェラ・アキのBDでは、アリーナ席の臨場感を身近に感じ取ることができた。
ちなみに僕が気に入ったサラウンドモードは「ムービー」。クセのない適度なサラウンド感で、さまざまなソフトで良好な印象だった。
コンパクトなサイズでも音がしっかりしたものを選びたいユーザーにお勧めの1台。ライブ映像やドラマなどをよく見る人にもベストな選択肢の1つだと思う。ただし、HDMI端子がない点は要注意。HDMI入力によるHDオーディオが楽しめないばかりか、HDMIリンクも使えないため電源を連動させてオン/オフすることもできない。そのぶん低価格ではあるが、このあたりは次世代モデルに期待したいところだ。
今回の試聴には、ソニーの「KDL-40W5000」および「プレイステーション3」を使用した。W5000を選択した時には「プラズマよりも液晶の方が一般的」という程度にしか考えていなかったのだが、フルハイビジョン映像を表情豊かに表現するダイナミックな映像に思わず見入ってしまう結果に。この映像に釣り合う音がほしいと思わずハードルをあげそうになってしまった、試聴テストには罪作りな(?)ハイクオリティーである。なお、KDL-40W5000は当然HDMI端子を装備するほか、光デジタル出力端子も用意しているため、今回のテストにはベストな存在だったが、旧モデル(なかでも低価格モデル)のなかには光デジタル出力端子がない製品もあるため、スピーカーを選ぶ際には十分注意してほしい。
機材 | 型番 | メーカー | 価格 |
---|---|---|---|
液晶テレビ | KDL-40W5000 | ソニー | オープン価格 |
BDプレーヤー | プレイステーション3(20Gバイトモデル) | ソニー | 4万4980円 |
HDMIケーブル | AT-EDH1000/1.3 | オーディオテクニカ | 2万3625円 |
デジタル光ケーブル | AT-SDP2000/1.3 | オーディオテクニカ | 1万8900円 |
アナログケーブル | AT-SA2000/1.3 | オーディオテクニカ | 1万8900円 |
電源タップ | AT-PT707 | オーディオテクニカ | オープン価格 |
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