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圧倒的なサラウンド感を実現した一体型、ソニー「RHT-S10」特集:薄型テレビにあわせる一体型スピーカー(1/3 ページ)

» 2008年03月24日 13時48分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 ソニーの「RHT-S10」は、AVアンプと5.1chスピーカーを薄型ボディに凝縮した一体型サラウンドシステムだ。同社の液晶テレビ、「BRAVIA」シリーズとの組み合わせを主眼に置いた製品だけに“ソニー純正組み合わせ”に対しては、いくつかのメリットが用意されている。

 その最大のポイントとなるのが、「ブラビアリンク」への対応だ。対応製品(X5050/X5000/ W5000/F1/V1/J1 /V5000/V3000シリーズ)とHDMIケーブルで接続することによって、電源オン/オフの連動やボリュームコントロールはもちろん、画質モードや音声入力の切替などもテレビ用リモコンを使って操作することができる。

photo 今回のレビューに使用したBRAVIA「KDL-40W5000」とのデザイン的整合性はバッチリ

 とはいえ、他社製品との組み合わせであってもHDMIの標準的なリンク機能――つまり電源連動やボリュームのコントロール程度は行えるので、ディスプレイが他社製品だからといって敬遠する必要はない。HDMI搭載の最新フラットディスプレイであれば、充分な利便性を享受できるはずだ。

 次のメリットは、やはりデザイン的な整合性だろう。BRAVIAシリーズ、なかでも今回のレビュー用に借りた「KDL-40W5000」のフレームは、メタリック調のブラックであり、スピーカーが内蔵されているため細かいパンチングが施されている。RHT-S10の前面も同じようなパンチングメッシュカバーが用いられているため、見かけのマッチングはとても良い。純正スタンドを利用すればディスプレイのすぐ下にピッタリ配置できるので、まるで一体型のような雰囲気にレイアウトすることもできる。

 さて、内部に目を移そう。搭載されるスピーカーは、メインの5ch用として5センチ径のフルレンジが5つ、サブウーファー用として10センチユニットが2つ用いられている。このうちフルレンジユニットは、ボディ前側にセンター/左右のスピーカーらしき3つと、後ろ側にリアスピーカー用らしき2つを配置。とはいっても壁の反射音を積極的に活用するタイプではないようなので、どれがどの役割、という厳密な線引きはなさそうだ。またサブウーファーは後ろ向きに配置。同時にバスレフ構造のボックスにマウントすることで、低音側への伸びと量感をカバーしている。

photophoto 前面ネットの下には、5センチのフルレンジスピーカーが3つ納められている(左)。ボディ本体にレイアウトされる操作部はボリューム、プリセット(チャンネル選択)、インプットセレクターの3つ。タッチパネルを採用しているのでとてもスマートに見える(右)

 パワーアンプは、いまやソニーお得意芸といえるまでになったフルデジタルアンプ、32ビット「S-Master」を採用。小型化と音質劣化の低減を両立させ、一体型システムながら本格的なシアターサウンドを実現している。

 一方でサラウンドシステムには、独自のバーチャル技術を用いた新開発の「S-Force PRO フロントサラウンド」を搭載した。この技術は、人間が音源の位置を認知する位相差を積極的に活用して、これまでの一体化サラウンドシステムでは物足りなかった“広がり感”や“空気感”を表現するというものだ。プリセットされているサラウンドモードは、「スタンダード」「シネマ」「ミュージック」「スポーツ」「ニュース」「ポータブルオーディオエンハンサー」の6種類。ちなみにサラウンドフォーマットは、ドルビーデジタル、DTS、ドルビープロロジック、ドルビープロロジックII、AAC、リニアPCM(2ch/5.1ch/7.1ch)と幅広く対応している。

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