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“REGZA”の新フラグシップ、「ZH500」の実力を探る(3)(2/3 ページ)

» 2008年05月13日 19時02分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

「おまかせ」モードで環境の変化に追従

 2008年春夏モデル共通の新機能である「おまかせドンピシャ高画質」(おまかせモード)も、メリットは大きい。視聴環境に合わせた輝度の自動調整などはブラウン管時代から存在したが、以前は省電力機能的な意味合いも強かった。本機能では、部屋に外光が入るかどうか、照明が蛍光灯色か電球色かといった設定を行うだけで、時間帯や明るさセンサーで視聴環境を判断する。さらに視聴している映像を解析し、ビデオ素材/フィルム素材の違いなどを判別して映像を自動調整する。同じコンセプトの機能は他社製品でも搭載しているが、ここまで凝った自動調整機能は初めてだろう。

photophoto 「おまかせ」では「照明の色」「外光」という視聴環境の設定項目が存在する。この2項目を設定するだけで基本的には動作する
photophoto 従来通りの詳細な設定も健在。好みの画質に追い込める

 では、実際に画面はどのように変化するのだろうか。画質の傾向は基本的に「標準」に近く、店頭効果を狙った派手な画質ではない。人肌に意図的に赤みをのせる傾向もなく、発色は至ってニュートラル。それでもさわやかな白は健在だ。

 重要なのは、照明を落として画面全体の輝度が落ちた状態でも、ソースが同じであれば視覚的にこの画質がほとんど変化しないこと。日中に外光を取り込んだり、照明をON/OFFしたりしても画面全体が暗い、まぶしいといった印象を受けることはまずなく、発色の印象が大きく変わることもない。

 明るい場合も同様だ。今回の視聴環境は室内をそれほど明るくできないため、量販店に出向いて明るい室内環境での画質も確認してみたところ、輝度に関してはかなり追従するようで店頭の明るい照明に負けていない。「あざやか」モードに近い所まで追従する印象だ。ロジックとしては非常に良く出来ているという印象を受けた。

テレビ初のドルビーボリュームの効果は

 デジタルハイビジョンテレビとしては世界初搭載となるのが「ドルビーボリューム」だ。番組本編とCM、シーンの変化などによる音量差の極端な変化を吸収する機能で、とくに小音量時の聞きやすさに繋がるとしている。ボリュームがソースに対しての相対的な音量調整として機能するのではなく、聴感上の音量調整として機能するようになると思えばいい。

 実際、同じ映画をドルビーボリュームON/OFFで視聴してみたが、確かに効果は大きい。音量差が大きい戦争映画を中心に見てみたが、音が大きな戦闘シーンを基準に音量調整(控えめ)をしていても、台詞が聞きとりにくい場面が激減する。

 一方、ちょっと低音の増強が強すぎて違和感を感じるケースもあった。例えば、セリフのないシーンで低いくぐもった音だけが明瞭に聞こえ、「はて、何の音だろう」と周りを見回してしまったことも。ドルビーボリューム自体はON/OFFしかできなくてそれはそれで清いのだが、決して万能ではないということだ。ただし、音質調整などは個別に反映されるので、一度調整してしまえば深夜に映画を見ることが多い、なんて人には非常に便利な機能だ。

photophoto 従来通りの音質モード、設定も可能。低音増強の周波数選択、5バンドながらイコライザーも装備する

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