先週は、今年の夏がフロントプロジェクターの近年にない“買い時”と説明した。今週から具体的な製品を取りあげていくが、まずはエントリークラスから紹介していこう。
ローエンドのホームプロジェクターは、DVDドライブやアクティブスピーカーを備えた一体型が主流だ。よく知られているエプソンの“Dreamio”(ドリーミオ)シリーズ以外にも、高コントラストなDLPが好みというのであれば、ホームシアター(スクリーンメーカーのOSが展開しているシアター機器販売代理店)が扱う米オプトマの「DV11」などがある。
ただし、DV11は2.2メートルで80インチを映すワイドズームレンズを備えているものの、内蔵アクティブスピーカーの音圧がやや不足気味。DLPの絵の方がいいという強い希望がないのであれば、一体型としての完成度はエプソン製の方が高い。
そのエプソンDreamioは、「EMP-TWD10」と「EMP-DM1」の2種類を販売中。販売店では設置が容易な80インチスクリーンとのお買い得セットを積極的に展開している。
両モデルの主な違いは、解像度(前者は720p、後者はワイドVGA)と内蔵スピーカーのサイズ。つまりハイビジョンで楽しむなら前者になるが、DVDだけならば後者でも構わない。むしろ縦方向への解像度変換が発生しないワイドVGAの方が、DVDの画質は見やすいと感じる人もいるはずだ(その分、大きく伸ばした際の画素サイズの大きさは気になる)。
こうしたお手軽一体型は、ほかのプレーヤーと接続せず、ポンとテーブルに載せてカジュアルに楽しめることが一番。その際、内蔵DVDでDVDビデオ再生を行うだけならば、EMP-DM1で充分だと思う。
もし720P対応のプロジェクターが欲しいというなら、画質や機能、静粛性などの面から総合的には三洋電機の「LP-Z5」が最右翼となる。2006年発売と古いモデルだが、高性能なレンズや余裕のあるランプ出力、高い設置性に巧みな絵作りなど720pプロジェクターとして不満のない作りだ。
ただし完成度の高い分、実勢価格ではソニーの「VPL-AW15」、パナソニックの「TH-AX200」などより3〜4万円ほど高いようだ。AW15は映画モードのナチュラルなトーン、AX200は部屋の遮光が充分ではない場合のパワフルさが特徴なので、目的に応じてこれらを選ぶというのもいい。
しかし、本音をいえば、せっかくフロントプロジェクターを導入するなら、フルHD対応の方が良いのではないか? と思う。次回は720pと1080pの違いに触れながら、フルハイビジョンプロジェクターの魅力を解説していこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR