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ソニー、地デジWチューナーとBDドライブを搭載した“黒くて円いVAIO”自社開発のテレビ機能で差異化(1/2 ページ)

» 2008年06月25日 15時00分 公開
[ITmedia]

テレビ機能を“自社開発”で固め、BRAVIAとの連携も強化

 ソニーは6月25日、テレビにHDMIで接続することを想定したテレビサイドPC「TP1」シリーズの新モデル「VGX-TP1DQ/B」と「VGX-TP1D」を発表した。いずれも7月5日に発売する予定だ。価格はオープンで、実売価格はVGX-TP1DQ/Bが20万円前後、VGX-TP1Dが15万円前後と予想される。

左が上位モデルの「VGX-TP1DQ/B」、右が下位モデルの「VGX-TP1D」

 TP1シリーズのモデルチェンジは2008年春モデル以来だが、これまでは本体に地上アナログテレビチューナーを内蔵する一方、地上・BS・110度CSデジタル放送にはネットワーク接続のテレビチューナーユニット「DT1」を増設することで対応してきた。

 今回の新モデルでは地上アナログテレビチューナーを省く代わりに、地上デジタルテレビチューナーを2基備えた自社製の小型チューナーカードを本体に内蔵。地上デジタル放送の2番組同時録画を可能にした。自社開発の地上デジタルテレビチューナーを搭載するのはVAIOとしては初めてだ。チューナーカードをPCI Express Miniカードとすることで、従来のMini PCIチューナーカードと比較して面積比を約3分の1に抑えながらも、前モデルより高感度を実現したという。

独自開発の地上デジタルテレビチューナーカードを採用。30(幅)×51(奥行き)ミリのPCI Express Miniカードは、表面に暗号化用のチップと地上デジタルテレビチューナーを実装(写真=左)。裏面に2つめの地上デジタルテレビチューナーを備えている(写真=右)

 テレビチューナーカードの変更にともない、デジタル放送の録画ソフトもサードパーティ製の「VAIO Digital TV」から、自社開発の「Giga Pocket Digital」に改めた。「Giga Pocket」は1999年に開発され、2004年にAV統合環境「Do VAIO」が登場するまでVAIOに搭載されてきた地上アナログテレビ録画ソフト。Giga Pocket Digitalは、これを地上デジタル放送対応版にリニューアルしたものだが、操作画面の構成や機能はまったく違うものになっている。

 操作画面は、マウスやキーボード用の詳細表示UIに加えて、リモコン用の10フィートUIも用意。UIの切り替えはリモコンのボタンで行える。

 録画機能は、EPGや日時指定によるマニュアル録画に加えて、任意のキーワードを入力するとEPGから関連する番組を自動で録画する「おまかせ・まる録」に対応。おまかせ・まる録で録画しておきたい番組の番組名を登録すれば、放映スケジュールが不定期な深夜ドラマなども毎回自動録画できる「シリーズ録画」機能も備える。自動録画した番組は、あらかじめ指定しておいた時間まで視聴しなかった場合に自動消去することも可能だ。録画形式はMPEG-2 TSとなる。

カタログビュー機能もGiga Pocket Digitalに統合されている

 従来のTP1に付属していた録画番組管理ソフト「VAIO Video Explorer」には、番組の録画後にインターネットから本編やCMの詳しい内容をメタデータとして取得し、自動的に解析して分類・表示するカタログビュー機能が用意されていたが、同機能もGiga Pocket Digitalに統合された。番組の詳細情報として、番組内で紹介された飲食店や宿泊施設などの店舗情報や、CD/DVDや書籍といった製品情報、CMの企業名や出演者をリストとして表示し、該当する部分を再生したり、製品やサービスのホームページにアクセスできる。

 カタログビュー機能で取得した店舗名や電話番号、地図データの情報は、FeliCaポート経由でおサイフケータイに書き出すことも可能だ(専用アプリケーション「かざポン」のダウンロードが必要)。

 録画した番組の書き出しについては、7月4日にダビング10に対応するアップデートプログラムを無償配布し、これを適用することでBD-REおよびCPRM対応のDVD-RW/DVD-RAMメディアにダビングが可能になる(DVDへのダビング時はSD画質へダウンコンバート)。また、今後のアップデートにより、録画した番組からワンセグのデータを抽出し、メモリースティックやSDメモリーカードに録画番組を書き出せる「モバイル書き出し」機能も追加される予定だ。同機能で書き出した番組は、PSPやワンセグ対応携帯電話で視聴できる。

 再生機能は、シーン別のサムネイルを自動生成して視聴画面の下に並べ、見たい部分を容易に探し出せる「フィルムロール」、録画した番組の音声変化量を分析して音声レベルの高い部分のみを抽出して連続再生する「ダイジェスト再生」に対応。ダイジェスト再生は、再生時間を5/10/20/30分に設定できる。一時停止中にバックグラウンドで録画をし、再開後に追いかけ再生することも可能だ。

視聴画面の下にフィルムロールを表示すれば、見たいシーンへ即座にジャンプできる。左がマウス操作用の画面、右がリモコン操作用の画面

ダイジェスト再生では、視聴画面の下に音声レベルの状態が棒グラフで表示される。左がマウス操作用の画面、右がリモコン操作用の画面

 そのほか、同社製の液晶テレビ「BRAVIA」のリモコンでTP1内のコンテンツを操作できるブラビアリンク機能も搭載する。2008年春発売のBRAVIA F1/V1/J1シリーズでは、テレビ側のリモコンでインターネットダウンロード、Blu-ray Disc/DVDの再生、録画ずみ番組の視聴、PC内の動画/静止画閲覧、PC内の音楽再生といったTP1の機能が利用可能だ。

 また、VAIOの春モデルで追加されたクロスメディアバー採用のDLNA対応ホームサーバ/クライアントソフト「VAIO Media plus」も搭載している。

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