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マニュアル撮影が楽しい広角ハイエンドコンパクト――LUMIX「DMC-LX3」レビュー(3/6 ページ)

» 2008年08月13日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 ホワイトバランスは、色温度設定のほか、2軸の微調整が可能。そして面白いのが「フィルムモード」。いわゆる絵作りを指定できるモードだが、これが実に多彩なのだ。

LX3らしい「フィルムモード」切り替え
フィルムモードはそれぞれについて細かくカスタマイズして、「MY FILM」として登録できる(左)。マルチフィルムモードを使えば、3種類のフィルムモードを連写で記録してくれる(右)

 スタンダード、ダイナミック(派手系)、ネイチャー(原色強調系)、スムーズ(ちょっと眠い感じ)、ノスタルジック(渋い系)、バイブラント(超派手系)、さらにモノクロが3つ。それぞれについてコントラスト・シャープネス・彩度・ノイズリダクションを微調整できる。

 さらにマルチフィルムモードにすれば、任意に選んだ3つのフィルムモードを3枚連写して記録してくれる。これはなかなか楽しい機能だ。

豊富なシーンモード。赤ちゃんやペットだと自動追尾AFになるなど個々の内容は多彩

 それに加えて、シーンモードに「ピンホール風写真」の「ピンホールモード」や、わざとざらついたモノクロ写真を撮る「サンドブラストモード」もある。

モードダイヤルを回すとそれに応じて画面上にガイドが表示される
全部で5ページに渡るメニュー画面。内容は豊富(左)。これは暗部補正。オフから強まで全部で4段階セット(右)
再生時の画面。撮影情報も結構細かく表示してくれる(左)。再生時に使える「傾き補正」機能。水平に撮ったつもりがちょっとずれていた、というとき、カメラ内でこのように補正できるのはおもしろい(右)

 もちろんマニュアル露出など基本的なマニュアル系機能はすべて装備。露出はジョイスティックでさっとコントロールできる。

バッテリーはリチウムイオン充電池で撮影可能枚数はCIPA規格で約380枚。メディアはSDメモリーカード(もちろんSDHC対応)

「おまかせ」と「マニュアル」を組み合わせて使おう

 LX3を使って感じるのは、とにかく「F2.0」という明るさは驚異的にうれしいこと(普通の室内ならISO400まであればたいていまかなえちゃう)と、アスペクト比をかちゃかちゃと変えて撮れるのはかなり楽しいということ。

 おまかせ系の機能も充実しているので、カメラにまかせたいところはまかせ、こだわりたいところはこだわる、という撮り方がいい。「セミオート」っぽい使い方ができるのだ。

 望遠側が60ミリ相当と弱いけれども24ミリ相当の広角が欲しい、という人には何の問題もないだろう。LX3は広角〜標準の画角を楽しむカメラなのだ。

 絵的にも、パナソニックといえばシャープネスが強めでハイコントラスト気味という印象があったが、LX3のスタンダードではシャープネスも抑えた柔らかめの絵作りになっているのも評価したい。

 今回は試せなかったが、アクセサリシューに装着する光学ファインダーや、さらに広角化するワイコンも用意されている。

 結局、LX3は「おまかせ」も「マニュアル設定」も自在に楽しめる、まさにハイエンドなコンパクト機。特に「24ミリ」と「F2.0の明るいレンズ」と「3種類のアスペクト比」と「豊富なフィルムモード」で絵作りを楽しみながらいろんな撮影を楽しみたい人にぜひ。

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