広角系ハイエンドコンパクトの雄はリコーの「GX200」で決まりか、と思っていたら、強力なライバルが登場した。パナソニックの「DMC-LX3」(以下、LX3)である。
パナソニックのLXシリーズといえば、16:9のワイドなCCDを搭載したユニークな広角モデルとして有名だったが、2年ぶりの新製品として登場したLX3は、デザインこそ2006年登場の「DMC-LX2」(以下、LX2)を継承しているものの、中味は一新。2008年型LUMIXの機能をすべて盛り込んだ上で、LXならではの仕様を多数盛り込んでいる。
最初の注目点はレンズとCCDである。
LX2は16:9のワイドCCDだったが、LX3は4:3のCCDとなった。鏡胴上部に設けられたアスペクト比切り替えスイッチは健在である。普通、アスペクト比を切り替える=トリミングする、であり、LX2は16:9のCCDだったため、4:3にするときは左右をトリミングし、その分、画角が狭くなっていた。
対してLX3は4:3も3:2も16:9もすべての画角で24ミリ相当を実現してくれた。これはよい。ちなみに画角は「対角線の画角」で示すため、4:3と16:9で同じ画角を実現するには、16:9のときはより左右の画角が広くならなければならない。
では、それをどうやって実現しているのか。
実はLX3のCCDは1/1.63インチ。レンズの実際の焦点距離は広角端で5.1ミリ。ちなみに、リコーのGX200は1/1.7インチのCCDで同じ5.1ミリで同じ24ミリ相当。
レンズの焦点距離も画角も同じなのにLX3のCCDは少しサイズが大きい……つまり、3種類のどのアスペクト比でも同じ画角を実現できるよう、CCDに対してレンズのイメージサークルがちょっと小さいのだ。ちょっと余裕を持たせているのである。
このCCDは1/1.63インチながら1010万画素。ハイエンドに分類されるコンパクトデジカメで使われているCCDより200万画素ほど少なく、当時よりCCDの技術が進化した分、LX2に比べて感度は20%、階調も15%向上している(と米Panasonicのサイトで解説されていた)。
無理に画素数を上げるより、画素数は1010万画素で抑えて(それでも十分に高画素なのだが)、その分画質を上げました、というわけだ。デジタル一眼レフには及ぶべくもないが、高画素化一辺倒に見えるコンパクトデジカメ界においてはちょっとしたインパクトである。
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