R8は、スタイルこそ似てはいるが、GX200やGR DIGITAL IIとは異なり、基本的にフルオートで撮影するカメラだ。シャッタースピードや絞りを直接操作することはできないが、その分、気軽に撮影することができる。
撮影設定の変更を行う際には、従来通りADJ.ボタンを押す。露出補正やISO感度、ホワイトバランスといったよく使う撮影設定が液晶画面右上に表示されるので、ADJ.ボタン左右で選択、上下で設定を行う。限られたボタンの中で効率よく設定変更できるインタフェースで使いやすい。
4つの撮影設定はメニュー画面からカスタマイズも可能。よく使う設定を登録しておくといい。個人的にはADJ.ボタン上下にダイレクトで露出補正が割り当てられ、ADJ.ボタンを押さなくても露出補正ができればうれしかった。
ADJ.ボタン内の設定は、これまでの4つから5つに増えている。5つ目はAF/AEターゲットの移動が割り当てられ、AF/AEターゲットを画面内で自由に動かすことができるようになった。これまで、マクロ撮影時には画面に十字のカーソルが現れ、それを動かすことで好きな位置にAFとAEを合わせることができたが、マクロ撮影時以外でも利用可能になったので利便性が向上した。
ターゲット移動は常用する機能とは言い難いが、自分の思い通りの位置にピントを合わせたい時、コントラスト差の激しい被写体で特定の場所に露出を合わせたい時など、オート撮影でうまくいかない時に活用すると便利だ。
マクロ撮影時も同様にAF/AEターゲットの移動を利用できる。広角端で1センチ、望遠端で25センチという優秀なマクロ撮影機能は健在。これだけの接写ができるカメラは少ないので、これは貴重だ。
レンズは広角28ミリから、望遠端も200ミリをカバーする光学7.1倍ズームで、広角レンズ搭載モデルで不足しがちな望遠撮影も無理なく行える。ズームレバーを倒し続けると高速にズームし、少しずつ倒すと細かくズームする2段階のズームスピードを採用しているので、シーンによって使い分けられるのも便利だ。
従来通り、シーンモードには人の顔を認識してピントや露出、ホワイトバランスを最適化する「フェイスモード」などを搭載する。検知できる人物の顔は最大4人までなので、他社製品の同種機能に比べると見劣りがするし、精度や検出速度に関しては業界トップクラス、とはいえないが、逆光時の人物撮影などで気軽に使える。ただし、フェイスモード選択時に設定できるのは露出補正のみ。
メニュー画面からは各種設定が可能だが、それほど多くの設定項目が用意されているわけではないが、興味深い機能としては最小絞り固定機能がある。R8は絞り値を自由に操作することはできないが、これを使えば絞った状態で撮影でき、遠景までピントのあった撮影が行えるようになる。
リコーらしく1:1のアスペクト比も選択可能。1:1の正方形フォーマットは、ブログなどに記事を掲載する際に重宝することが多い。そういう用途で利用しても良さそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR