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» 2008年11月14日 08時30分 公開

バイヤーズガイド:自分にピッタリのヘッドフォンを選び出す――オーバーヘッド編 (2/5)

[野村ケンジ,ITmedia]

 最後に音の好みだが、これには単純な「音の好み」と、利用環境による「セッティングの最適性」の2つのポイントからチェックする必要がある。好みに関しては、試聴して最も好みのサウンド(自分が気に入っている楽器やボーカリストが最も気持ちよく聞こえる製品)を選び出せばよいのである意味単純だが、もうひとつはそう簡単にはいかない。

 分かりやすいポイントを挙げるとすれば、低音の特徴と解像度の2つだろう。騒音レベルの高い場所で多く利用する場合は、解像度に少々不満があったとしても、低音のボリューム感を優先して選ぶ必要がある。まわりの騒音によって低音はかき消されがちになるからだ。静かなところで聴くことが多い場合は、低音はボリュームよりも最低域までのノビを重視しよう。細かい音にまで耳がいくため、解像度にも不満がないようにしたい。

 ここまで製品選びに関してのチェックポイントを紹介してきたが、実際に店頭などで試聴する際の注意点も述べよう。音を確かめたい場合は、できることなら店員に断り、自分のiPodなどを持ち込んでチェックして欲しい。デモンストレーションをしている曲よりも、いつも使っているiPodのいつも聴いている曲の方が、自分の好みか否かを的確に判断できるからだ。

 また、試聴機のエージングがどれくらい進んでいるかも重要だ。試聴機は1日中鳴らされていることが多いため、エージングは充分な個体が多いが、新製品など、なかにはまだ実力を発揮し切れていないものもある。実際オーバーヘッドタイプのヘッドフォンは数カ月使ってやっと実力を発揮するようなものもある。音のバランスが極端に悪いものや、高音がやたらうるさく感じられるものはたいていエージングが足りないので、それらを加味してチェックすることが必要になる。

 最後に価格帯による利用方法や耐用年数の目安を紹介しよう。音の好みの部分で述べたように、電車内など騒音レベルの高いところで利用する場合は解像度よりも低音ボリュームを重視、静かなところで使用する場合は解像度と低音の伸びを重視するようにレクチャーしたが、これはイコール製品の価格帯にも反映される。前者は低価格帯の製品で充分事足りるし、後者は高価格帯の製品でないと満足いかないケースが多い。コストパフォーマンスは重要だが、使い方によって予算を考え直すことも必要だ。

 また耐久性に関しては、1万円以下の製品は(毎日のように使うのであれば)1〜2年もてば御の字と考えて欲しい。価格差が反映されてしまうのは第1に音質だが、その次に耐久性があがってくるからだ。大切に使えば長持ちしてくれる製品もあるが、それはまれなケース。長期使用はハナからあきらめ、次々に買い換えて音の違いを楽しむくらいの気持ちでいよう。

 一方で2〜5万円の高額製品は、耐久性も充分考慮されているのでかなり長期間に渡って活用できる。実際僕もソニー「MDR-CD1700」を2万5000円程度で購入して10年近く使っているが、いまだ現役である(さすがに音質チェック用としては引退、いまはテレビやDVDの観賞用として利用している)。このように、高価な製品は大切に使えば長く使い込めるので、多少予算オーバーだったとしても後悔のない選択をして欲しい。

 さてここから先は、具体的なお勧めモデルを「1万円以下」「1万円以上」「価格無制限」という3カテゴリーに分けて紹介しよう。それぞれの性格がわかりやすいよう、簡単な製品特徴に加えて、音に関するリポートと、チェックポイントの参考となる音色傾向の表を添付した。これらを参考に、自分好みの製品を選びだして欲しい。

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