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明るめのリビングでも十分に使える低価格機、三洋「LP-Z700」特集:30万円で買えるフルHDプロジェクター(2/3 ページ)

» 2008年12月05日 17時42分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 サンヨーZシリーズの伝統ともいえる、電動スライドシャッターの採用も嬉しい。プロジェクターを使用していない時は、レンズ保護のためにもカバーをする必要があるが、見終わるたびにいちいちカバーをするのは実際面倒だし、手動タイプのレンズユニットの場合は、ピントやレンズシフトなどが微妙に狂ってしまうことがあり、見るたびに微調整をしなければならない。そういった面倒から解放してくれる電動スライドシャッターは、手軽にプロジェクターを活用したいユーザーにはありがたい装備だ。

photophoto スペース効率を高めるためレンズ位置は右側に寄ったデザインを採用する。デフォルトの設置場所は部屋のセンターから微妙にずれるものの、レンズシフト機能を有するため問題はない(左)。HDMIは1.3b対応の端子を2系統用意。そのほかにもコンポーネントやS端子など、ひと通りの接続端子が用意されているため不自由はない(右)

 入力端子はというと、HDMI端子×2系統、コンポーネント入力×2系統、Sビデオ×1系統、コンポジット×1系統に加えて、PC入力用のミニD-SUB15ピン端子が1系統備わっている。なかでも主に利用するHDMIは、Ver.1.3b&DeepColorに対応している。

ユーザビリティー

 メニューの操作性に関しては、おおむね上々。デフォルトで用意されている5つの画面モードがうまくZ700のアドバンテージを引き出せており、多くの人がこちらを映像のタイプや部屋の明るさによって切り替えるだけで済むため、操作に迷うことはないはず。

photophoto リモコンは大きめのボタンと分かりやすいレイアウトが採用されているため、暗闇でのブラインド操作も十分可能。入力切替がダイレクトに選択できる点も嬉しい(左)。デフォルトで用意されるモードは5種類。なかでも「クリエイティブシネマ」は映画視聴時に、「ブリリアントシネマ」は部屋を少し明るくしている時に有効だ(右)

 また細かく調整したい人にはアドバンスドメニューが用意されており、RGBそれぞれを9ポイントで調整できる「ガンマ調整」や彩度/色相/明度を一度に簡単にコントロールできる「3Dカラーマネージメント」、黒伸張、輪郭補正など、細やかな調整を行うことができる。

photophoto オートアイリスのコントロールや黒伸張、輪郭補正など、かなり詳細な設定が行えるアドバンスドメニューも用意されている(左)。アドバンスドメニュー内のガンマ調整は、RGBそれぞれに9ポイントでコントロールできる。これを利用することで、かなり細かい部分まで調整可能(右)

 リモコンは、こちらも入力切換や画質調整など、よく利用しそうな項目のショートカットが用意されていて、使い勝手は申し分ない。ユーザビリティーに関しては、Z700はかなりの上出来さを誇っている。

photo HDMIはDeep Color対応であるため、プレーヤー側のスペックによって標準と拡張の2つを切り替えることができる

 1つ残念なのが、HDMIリンク――つまり、HDMI 1.2a以降でサポートされたHDMI CECに対応していない点だ。今回のテストではプレーヤーのソニー「Playstation3」に加えてパナソニックのBDレコーダー「DMR-BW800」を利用したが、自動入力切替はもちろん、電源オフにも無反応。あればやはり便利な機能なので、今後の対応に期待したいところだ。

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