1月7日に行われた東芝アメリカのプレスカンファレンスでは、注目のCell TVに関しても多くの情報が出た。さらに個別に聞いた話を交え、Cell TVに関する情報をまとめてみよう。
まず発売時期に関しては、日本では50型台のフルHDタイプを2009年秋に投入する計画という。また北米や欧州でも2009年度中には発売する予定で、より大型の4K2Kモデルもラインアップされる見込み。
外観は、シンプルなモニター部と「Cell Box」と呼ばれるチューナー部を別体にした2ピース構成になり、その間はWireless HDで接続する。パネル解像度は、前述の通り4K2KもしくはフルHDで、LEDバックライトのエリア制御に使用するチップをCellで統括して精度を向上させるという。
超解像技術「レゾリューションプラス」もCellのパワーで進化させる。基本的な方法論は現在と同じ再構成法だが、内部処理のサイクルを現在の1回から3回に増やして精度を上げる。現在のように地上デジタル放送の1440×1080ピクセルをフルHD化するだけではなく、ネットワークコンテンツの高解像度化や将来の4K2K対応も想定しているという。
Cell Boxには、「3Tバイトクラス」(東芝DM社テレビ事業部の大角正明事業部長)という大容量のHDDを内蔵。「ハイビジョンレベルの画質で全チャンネルを一週間まるまる録画できるようにする」。もちろん録画した番組を検索する処理能力や、そのためのグラフィカルなユーザーインタフェースをストレスフリーな速度で提供するのも高い処理能力を持つ“Cellならでは”という。また、既存のREGZAにもあるDLNA機能や外部ストレージとの連携も強化する。
「薄型テレビに対するユーザーのニーズは多様化している。コンテンツは放送メディアだけでなく、ネットワークや外部機器にも存在する。ほしいものをいつでもどこでも――というメディアインディペンデントを推進するため、ネットワーク、画質、ストレージ&モバイル戦略を進める」(東芝デジタルメディアネットワーク社TV技師長の徳光重則氏)。
同社の薄型テレビ戦略において、Cell TVは「高付加価値テレビ分野のシェア拡大に向けたブランドリーダー」という位置づけだ。さらに、Cell TVのために開発した新技術をほかの製品にも応用し、REGZAという薄型テレビそのものの商品力も底上げする考え。未発表の製品について多くの情報を出した背景には、同社のシェア拡大に向けた意気込みと自信がうかがえる。
「画質、ストレージ、ネットワーク、そのすべてにおいてCell TVはREGZA史上最強。REGZAのブランドリーダーになる」(大角氏)。
明日開幕するInternational CESの同社ブースでは、4K2KのCell TVをはじめ、多くの関連展示が予定されている。その様子は追って掲載する(→Cell搭載で「REGZA」の画質はどう変わる?――東芝ブース)。
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