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“画質を極めたVIERA”こと「TH-P42V1」を試す人気の薄型テレビ3機種レビュー(2/3 ページ)

» 2009年08月10日 21時09分 公開
[野村ケンジ, 芹澤隆徳,ITmedia]
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 付属のリモコンは大柄でボタンも大きめ。AV機器のリモコンとしては少々格好悪いかもしれないが、実際に使ってみると操作性はすこぶる良い。しばらく使っていれば、だれでも手元を見ずに操作できるようになるはずだ。

photophoto リモコンはボタン数が少ないぶん、割り切った部分も多い。例えば、外部入力を一発指定できるボタンなどはなく、学習リモコンを愛用している人などは、少し物足りないと感じるかもしれない
photophotophoto 外部入力の設定。表示を「ブルーレイ」などに変更したり、使っていない入力端子をスキップさせることができる。リモコンに外部入力のダイレクトボタンがない機種では、このスキップ設定が意外と重要

注目の新機能

 新機能としては、まず「らくらくアイコン」が挙げられる。リモコンの「らくらくアイコン」ボタンを押すと6つのアイコンが画面下部に表示され、目的のアイコンを選択すると、拡大するようなアニメーションとともにその画面が起動する。PCに慣れた人なら、ショートカットを集めたランチャーと思えば理解しやすい。

 アイコンには、アクトビラやYouTubeを閲覧できる「テレビでネット」、DIGAの録画番組一覧を呼び出す「ディーガ録画一覧」、電子番組表の画面にとぶ「ジャンル検索」「注目番組」、そしてSDカードに記録したコンテンツを見るための「スライドショー」「ビデオ一覧」となっている。このうち「ディーガ録画一覧」は、HDMI CECを利用した「ビエラリンク」を使っているため、対応するDIGA(DMR-BW930など、2008年秋モデル以降)をHDMI接続した場合にのみ利用できる。

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 らくらくアイコンは、昨年発売されたHDD内蔵の「PZRシリーズ」で初めて採用されたもの。そのためか、V1の場合はアイコンとして並んでいる機能にあまり必然性を感じないのが残念だ。PZRシリーズでは、「お好み録画一覧」や「おまかせニュース」といった録画機能に関するアイコンが並んでいて非常に分かりやすかったのだが、録画機能のないV1シリーズでは、いずれもリモコンからも呼び出せる機能が並んでおり、操作ステップを大幅に短縮するとはいえない。むしろ、ユーザーが任意の機能を登録して使えるような、柔軟なショートカット機能になるとうれしいのだが。

photophoto EPGは、フルハイビジョンの解像度を生かして3/5/7/9/11/15/19チャンネルの一覧が可能。ジャンル別の色分け表示で目的の番組を探しやすい(左)。また、同じ局を8日先まで一覧表示する「チャンネル別番組表示」も便利だ(右)

 らくらくアイコンや番組表からアクセスできる「注目番組」は、今年2月の「Xシリーズ」から採用された「Gガイド」の新機能。従来のGガイドでは、2週間ぶんの番組表しか見ることができなかったが、今回は最大1カ月先までの注目番組をチェック可能。ドラマや映画など、ジャンルごとにオススメ番組をリストアップしてくれる。これまで“左側の広告がジャマ”などといわれ続けていたGガイドだが、こうした機能が充実してくると支持するユーザーも増えそうだ。

photophotophoto 「注目番組」の出演者からほかの番組を検索したところ

 番組の詳細情報画面で「関連情報」を選択すると、番組情報に含まれる出演者の人名から、ほかの出演番組を検索できる(注目番組、通常のEPGで可能)。また、番組情報に検索する人名などがない場合は「ゴールデンの映画」など“番組ジャンル”でも検索が行える。キーワード検索ほどの柔軟性はないが、文字入力が不要というのはありがたい。もちろん、ここから視聴予約やHDMI接続したDIGAへの録画予約も可能だ。

 ネットワーク関連では、DLNAクライアント(DMP)として利用する際、サーバとなるDIGAのユーザーインタフェースをネットワーク越しに利用できるようになった。対応するDIGAは9月発売の2009年秋モデルに限られるものの、見慣れたDIGAの画面がそのままテレビに表示される。

 このほかにも、ハイビジョンVoDサービス「アクトビラ ビデオ・フル」への対応や「YouTube」への直接アクセスなど、ネットワーク機能も充実した「TH-P42V1」。しかしパナソニックらしく、決してマニア向けの作りにはなっていない。画質にこだわるマニア層からファミリー層まで、幅広いユーザーに対応できるテレビといえる。


 今回のV1を見て感じるのは、前述のらくらくアイコンやDLNAの独自拡張など、DIGAシリーズとの連携機能がさらに充実したこと。もちろん、HDMIリンクやDLNAの標準的な機能に関しては、他社製品との組み合わせでも支障なく使える。単なる囲い込み戦略ではなく、独自拡張をあくまでプラスアルファにしている点はしっかり評価されるべきだ。

 実際、VIERAを使っていると、“DIGAとセットなら、もっと便利”な部分がさまざまな形で見えてきて、「一緒に使わないともったいない?」などと考えてしまう。このあたり、やはりパナソニックのマーケティングのうまさなのかもしれない。

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