実際にセッティングをはじめてみたが、設置に関して戸惑うことはまずない。まず転倒防止用スタンドをネジ止めし、本体をラックのなかに配置。あとは電源やHDMIなどのケーブル類を接続するだけで完了する。説明書さえ必要としない簡単さだ。しいて注意点を挙げるとすれば、横幅(1030ミリ)に見合ったラックを用意することと、高さが212ミリあるためテレビの前に置くと画面の下端が遮られてしまう可能性があることくらいか。
もし大型のラックが手元にないという人は、YSP-4100があらかじめインストールされたシアターラックシステム「YSP-LC4100」という製品もあるので、こちらを考慮に入れるのもいい。とはいえせっかくの薄型モデルなので、やはり本命は壁掛け&壁寄せ。オプションとして壁掛け用取付金具「SPM-K30」(5250円)やYSPシアターラックに取り付けるテレビの壁寄せ金具「YTS-V1000」(オープン価格)も用意されているので、こちらを有効に使うのも1つの手だ。その場合、サブウーファーをワイヤレス接続できるキット「SWK-W10」(オープン価格)が用意されていることも魅力になる。薄型ボディをはじめ、設置性に関して配慮の行き届いた製品といえるだろう。
薄型化に伴い、外観もかなりスマートな印象のデザインに生まれ変わっている。フロントパネルは、上下に向かってゆるやかなカーブを描くスピーカーネットの下側に、クリアブラックのアクリルカバーをレイアウト。そちらに入力ソースなどを表示するディスプレイのほか、ソース切替やボリュームコントロールなど、最低限のハードキーが配置されている。初期設定や音響設定の変更など、細かいセッティングは付属のリモコンを利用することになるが、普段はテレビのリモコンからも主要なコントロールが行えるため、本体側の操作系はこれで充分だと思う。
逆にオンスクリーンメニューは、高機能さを反映して詳細な内容が用意されている。自動調整の結果を微調整したり、入力ソース名を手入力で変更したりなど、カスタマイズの詳細に行えるため大変便利だ。ちょっとしたAVアンプをしのぐ多機能さを持ち合わせているといえるかもしれない。
自動音響調整システムは、先代モデルやヤマハ製AVアンプでおなじみの、専用マイクを使って測定するオールオートタイプ。視聴位置にマイクを置いてしばらく待つだけでかなり完成度の高い音場空間を実現してくれるので、手軽さ、満足度ともにかなりレベルは高い。
ちなみにシネマDSPの設定は、7.1ch再生が可能な「5ビーム+2」「ステレオ+3ビームプラス2」と、5.1ch再生となる「5ビーム」、リアルなステレオ再生が可能な「ステレオ+2」の3タイプがあり、好みや再生ソースによって簡単に切り替えることができる。なお、7.1ch再生が「5ビーム+2」という表記になっているのは、5本のビームとファントム機能で作り出した2チャンネルを組み合わせているからだ。
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