ITmedia NEWS >
連載
» 2009年12月02日 08時00分 公開

HD時代のホームシアター作法麻倉怜士のデジタル閻魔帳(3/4 ページ)

[渡邊宏,ITmedia]

 AVアンプですが、このシーズンではソニー「TA-DA5500ES」に注目です。音も素晴らしいですし、DSP「デジタルシネマサウンド」のデキもよいです。自動位相マッチング機能「A.P.M」を利用して、スピーカーの位相特性を揃えることもできます。位相的なピークギャップがスピーカー間で重なるとある部分、音が消えてしまいますから、これはとても大事なことですし、音のつながりがよくなるという効果も得られます。

先日秋葉原で行われた「オーディオ&ホームシアター展 in AKIBA2009(オトテン)」でのことです。2chの松田聖子ライブBDをTA-DA5500ESの「マルチステレオ」モードを使って、7.1チャンネルのスピーカー配置(2ch×3)で再生してみました。すると、「A.P.M」できちんと位相特性がそろえられ、非常にクリアな音場として聴くことができました。ヤマハやデノンは今冬向けには新製品を発表していないので、あまり注目製品の数は多くありません。業界的にはHDMI1.4待ちの状況ですね。

ビクター独走にストップ、プロジェクター注目株は

麻倉氏: プロジェクターはソニー「VPL-VW85」に大いに注目です。ここ数年はソニーとビクターがライバル関係となってしのぎを削るものの、“ハイエンドプロジェクターといえばビクター”という、ビクターに優勢な状況が続いていました。ですが、VPL-VW85はSXRDの良さであるレンジ感や気持ちのよいテイストを残しながら、コントラストを伸ばし、さらに豊富なガンマ調整パターンによってさまざまなコンテンツに対応できるようになりました。

photo ソニー「VPL-VW85」

 黒の階調感の再現は突き詰めるとガンマ調整が果たす役割が多く、レンジの広いBD作品の場合は特に大事になります。ここまでガンマ設定が充実していると、まずはガンマを調整してから白/黒レベルを変えるのが欲しい映像を得る近道でしょう。プリセットされたモード設定だけでも十分に楽しめるのですが、ガンマ調整を中心とした、ディレクターズ・インテンションの引き出しが本製品からスタートすると感じました。

 ビクターの「DLA-HD950」は昨年モデルにあった、特定条件下における色偏差が改良されてスキがなくなりました。映像の作り込みはコントラストに集中していますが、基本的には同シャーシ構造で数世代経過しているので、そろそろデジタル階調をアナログ階調に戻す、ランプをキセノンに戻す……など抜本的に見直す時期に来ている気がします。

 透過型デバイスを採用するエプソン「EH-TW4500」 はデバイス・光学系の基本はともに既存モデルから変更されていませんが、絵作りがとても上手になりました。可変絞りを搭載こそしていますが、絵作りについてはネイティブコントラストの状態で行われています。コントラスト比は既存モデルでも1万:1に近づいていましたから、見た目のワイドレンジ感や色彩について研究を重ねたのでしょう。その結果、絵の透明感にコントラスト感と色彩が追加されています。階調感も素晴らしい。来年以降はデバイスも新しくした提案があるのではないでしょうか。

 ファンとってはDLPの復活もうれしい話題ですね。しばらくの間、解像度は720pで止まっていましたが、三菱電機「LVP-HC3800」やOptoma「HD82」といったフルHD対応製品が登場しました。三菱電機は日本市場のメインは液晶だと考えているようですが、重量感のある映像を映し出すDLPのファンは確実に存在しています。フルHDでもやっぱりDLPの映像が欲しいという人にはありがたいですね。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.