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超薄型ボディの低価格フルHD機 Xacti「DMX-CS1」フルHDビデオカメラ新時代(6)(1/2 ページ)

» 2010年03月08日 11時31分 公開
[都築航一,ITmedia]
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 三洋電機「Xacti」シリーズは、グリップ型とよべる斜めに傾いた縦型の本体デザイン、MPEG-4 AVC/H.264(拡張子は.MP4)という記録方式、ビデオカメラにもスチルカメラにも属さない製品ポジションなど、あらゆる点でユニークなカメラとして毎年着実に改良を重ねてきた。

 今春モデルでは、フルHDの動画記録に対応しながら、薄さ約27ミリ(最薄部20ミリ)/撮影時重量約159グラムという小型軽量ボディを実現した「DMX-CS1」が注目だ。量販店での実売価格が3万円台半ば(ITmedia Shopping調べ)手ごろなことも見逃せないポイントのひとつといえる。なお、記録メディアはSDメモリーカード(SDXC/SDHCカード対応)。内蔵メモリも備えるが容量は約50Mバイトとわずかなので、静止画撮影時の緊急用ととらえるべきだろう。

photo Xacti「DMX-CS1」

フルHDの動画撮影がぐっと身近になるコンパクトなボディ

 DMX-CS1は、1/5型 総画素約340万画素のCMOSセンサーを撮像素子として採用。35ミリ換算で38〜342ミリ相当からの光学9倍ズームレンズと電子式の手ブレ補正を組み合わせ、フルHDの動画撮影を実現している。また、画素補完によって800万画素相当の静止画撮影も行なえる。スリムなレンズや撮像素子モジュールを新開発することで、こうしたスペックを前述のコンパクトなボディへ収めることに成功している。

photophoto

 天面と底面が丸みを帯びた本体のデザインは、一見するとカメラとは思えない独特の雰囲気。本体の大部分は鏡のようなシルバーで覆われており存在感を主張するが、アクセントとしてシルバー、ピンク、グリーンをあしらった3種類のカラーバリエーションが用意されており、いずれも手に取りやすい。

photophoto 最薄部20ミリというスリムボディ

 毎日持ち歩いてこそのスナップ撮影だと考えれば、薄型コンパクトなボディと、毎日持ち歩きたくなるデザインは必然の仕様といえる。だから、底面に設けられたねじ穴で、三脚にすえてしまうのはもったいない。吸盤型の器具を取り付けて自動車の窓ガラスに固定するなど、通常のビデオカメラでは設置が難しい場所での撮影にチャレンジするためのねじ穴だと思ったほうが楽しめる。

一度手にしてみれば分かる使い勝手

 操作感もやはり独特のものだ。液晶モニターを閉じている状態では、どう持って使うものなのか想像もできないが、一度手にすれば、本体を縦に持ち、右手全体で握りこむことで、レンズを正面に向けて構えられることがすぐに理解できる。やや斜めになった造形は手首などへの負担を和らげる工夫で、ずっとカメラを構えていても疲れにくい。

 従来の縦型のXactiも基本的には同じようなスタイルではあるが、画質を重視するべく、思い切って大きなレンズを据えた「DMX-HD2000」の場合、実際のサイズ以上にレンズが強く存在感を主張し、撮られる側がレンズを意識してしまいかねない。その点、DMX-CS1はカメラらしい存在感をほとんど主張していないことから、同じフルHD映像の撮影であっても、被写体がより自然な表情になってくれそうだ。画質はさておいても、人物を中心にスナップを撮るという目的には、後者がより適していることは言うまでもない。

 最も厚い部分でも本体の幅が約27ミリしかないことから、従来の縦型Xactiからは使い勝手も大きく変更されている。背面に数多くのボタンを配置するのは無理があるため、録画開始・停止ボタンやズームレバーなどを残しつつ、カーソルボタンなどは新たに液晶モニターの脇に移された。

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 だが、カーソルボタンを操作するべく左手を持っていくと、ちょうど両手で液晶モニターを支える格好になるので、意識せずともよりブレの少ない安定した映像が撮れることにもなる。カーソルボタンのサイズはかなり小さいものの、的確に操作できた。そのぶん液晶モニターは、液晶カバーの大きさの割に2.7型(約23万画素)にとどまるが、表示そのものは美しく、撮った映像を見ているとまた撮りたくなってくるのが楽しい。

photo Full-HD(1920×1080ピクセル 16Mbs)からのスクリーンショット。手ブレ補正は搭載するもののさすがに最新の他社デジタルビデオカメラに比べると補正効果は劣る。しかし、不自然な振る舞いは感じられないので、いっしょに歩きながら撮っている臨場感が味わえる

 一方、背面に残された静止画のシャッターボタンやズームレバーは、筆者の手にはちょっと小さく、狙ったところへピタリと決めるのには慣れが必要だった。なお、内蔵ステレオマイクは常に被写体の方を向くよう、液晶モニターの裏側に取り付けられている。

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